IFのIF 脳漿混じりのジャム
[8]前話 前書き [1]後書き [2]次話
近頃、ライオス兄さんが隠し事をしている。
自由に迷宮の中を飛び回って色んな魔物を食べては、何かしてる。
迷宮の玉座に座った私でも、どうしても死角がある。
すべての迷宮の中を見渡せるわけじゃない。
その死角に、兄さんは最近何か隠している。それが許せない。
「妹の私に隠し事なんて酷いわ。」
兄さんの行動を分析して、どこに隠し事をしているのか特定していった。
そして、そこに行ってみると、まず腐敗臭が鼻を突いた。
藁が不自然に盛られていて、腐った血を吸ってドス黒くなっている。
杖を使って、藁をどかすと……。ゴロリと頭蓋骨が転がり落ちた。
藁を全部どかすと、そこには、様々な魔物や人間の首が詰まれてあった。
その中に、見覚えがある首があった。
「あら、あなたは…。」
その首を持ち上げるために短い黒髪を掴む。
しかし腐敗が進んでいて頭皮ごと髪がずるりと抜けた。
腐りかけのその首がコロリッと床を転がる。
その首を両手で持ち上げた。
持ち上げるとポトポトとウジが落ちた。
「えっと…カブルー…くん?」
顔の半分以上が腐り、ハエがたかってウジが湧き、骨が見えている。それでもまだ辛うじて人相は残している。
「兄さんってば……。」
ファリンは、カブルーの首を高く持ち上げた。
そして、手に力を込める。
ギリギリ、ミシミシ、メキメキと、一見しただけは分からない怪力でカブルーの顔が潰れていく。
目が飛び出す、骨にひびが入る、中に詰まっている脳がドロドロと流れ出る。
それでも構わずファリンは、徐々に潰していきやがて……。
カブルーの首が完全に潰れた。
それをゴミを捨てるように放り捨て、ファリンは、後ろを振り返った。
そこには、ライオス・ドラゴンキメラがいた。
その手に新しい獲物の首を持っている。
「兄さん。宝物を集めるのは良いけど、私に内緒はイヤよ。」
立ち止まっているライオス・ドラゴンキメラに近づき、腐った血と脳漿で汚れた手を服で拭ってライオス・ドラゴンキメラに、手を伸ばした。
「今度から、私にも見せてね?」
それはそれは、素敵な笑顔を浮かべたのだった。
[8]前話 前書き [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ