IFのIF ゴロゴロ見つけた
[1/2]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
カブルーが攫われた。
人間の上半身に、鳥とドラゴンを合せたような巨体を持つライオス・ドラゴンキメラに。
浅い層でいきなり襲いかかってきて、油断したところを捕まったカブルーがそのまま持って行かれた。
仲間達が後を追ったものの、キメラの素早さについていけるわけもなく、すぐに見失ってしまった。
「早く見つけないと…、死んでるにしても早く死体を見つけないと蘇生できなくなっちゃう。」
これまで魔物と戦いで命を奪われてきたが、生きたまま身体ごと持って行かれたのは今回が初めてだ。
死体が無ければ蘇生は出来ない。まだ迷宮の中で死んでいることを祈るしかなかった。魂が縛られて蘇生が出来るのは、迷宮の中だけだからだ。
一階の死体安置所にも寄って、カブルーの死体が運ばれてないかも確認しつつ、カブルーの仲間達はカブルーに探索を続けた。
そんなときに、別の冒険者達がこんな噂をしていた。
近頃現れるようなった人間のキメラが、ある階層によく立ち入っていると。
もしかしたら?っという希望が湧いたが、同時に警戒もした。
時間的にカブルーは、生きている望みは薄い。というか絶望的だ。
せめて死体だけでも見つけて無事に持ち帰らなければと、気合いを入れてその階層に踏み込んだ。
***
階層は、三階だ。
「幽霊に取り憑かれてなけりゃいいけど…。」
「出歩いてたら、それはそれで助かるけどな。」
そんな会話をしながら、探索していると、白い大きな羽根を見つけた。
こんな大きな羽根…、この階層にいる魔物のモノじゃないのはすぐに分かった。
近いと感じて探索していると、出入り口に頭をぶつけたような痕跡があった。
まあ、あの巨体では三階は狭いだろう。
警戒を怠らず進んでいく。
やがて腐敗臭がした。
鼻を摘まみながらその一室に入ると、藁が大量に積まれていて、そこから匂いがしていた。藁が変な色をしている。なんか、ドス黒い。いや、赤黒い?
「カブルー? そこにいるのか?」
「奴が戻ってくる前に早く!」
「急かすなよ!」
ミックが背中を押され、藁をどかした。
すると。
ゴロッと、何かが藁の中から転がり落ちた。
「えっ?」
褐色の肌。癖のある短い黒髪。
閉じられた目。
探していた……、自分達のリーダー。
「ギャーーー!!!!」
ミックは、たまらず悲鳴を上げて尻餅をついた。
ゴロゴロ、ゴロゴロと、出てくる出てくる。
頭が……、様々な魔物の頭が。
すでに骨になったモノ、まだ腐りかけているモノ……。
まだ新鮮さを残しているカブルーの生首が、他の魔物の首と一緒に
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ