IFのIF わたし(or僕)を食べて
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「僕のモノになってください。イヤなら僕を食べてください。」
「殺されたいの?」
「あ、あの…二人とも?」
バチバチと見えない火花を散らすカブルーとファリンに、ライオス・ドラゴンキメラは、戸惑った。
狂乱の魔術師は、倒された。ファリン達の手で。
その後、ファリンが迷宮の主となり、キメラとなった兄・ライオスの居場所を保つことになった。
迷宮の封印を目的にしていたカブルー達と再び遭遇したとき、激しい戦いが展開されるかと思いきや……出鼻をくじかれた。
主にカブルーの迷言(?)で。
正気に戻ったライオス・ドラゴンキメラを目にして、笑顔で一言。
「好きです。僕を食べてくれたこと覚えてますか?」
……突然の告白と共に爆弾を落とした。
カブルーの仲間に問いただされて、あの時の腕の傷がライオス・ドラゴンキメラに自分から肉を食べさせた跡だったことを悪びれもなくカブルーは答えたのだった。
言葉を失うカブルーの仲間達を後目に、カブルーは、ずいずいとライオス・ドラゴンキメラに近寄って腕の傷跡を見せつける。
「覚えてます?」
「えっと……。」
「なーんだ、覚えてないのか…。こんな傷をつけておいて…。」
「ご、ごめん! 迷宮の支配を受けていた時の記憶が曖昧で…、ただなんか美味い肉を一回食べたような………、あれ?」
「へ〜? 僕、美味しかったですか?」
「お、覚えてない…。」
「でも美味しかったって記憶はあるんでしょう?」
「ああ、あるには…あるんだけど、………あれ?」
「僕を傷物にした責任は取ってくださいよ。」
「ええー!」
「兄さんに近づかないで。」
「迷宮の主は、すっこんでてください。」
「殺されたいの?」
「ふぁ、ファリン、落ち着け。」
「兄さんは下がってて。」
「ライオスさんは、下がっててください。」
「ええー?」
こうして、ファリンとカブルーの戦い(?)が展開されることになった。
ライオスを自分にくれ、ダメ!みたいな、なんとも平和的(?)な戦いではある。
カブルーの仲間が、目の前に迷宮の主がいるんだから迷宮の主を倒さないのかと聞くと。
「妹公認で仲を認めてもらいたいから。」
っと、言ってのけたのだった。
恋は盲目とはよく言ったものだ。魔物を憎むがためにダンジョンの封印に積極的だったカブルーも、所詮は普通に恋する男だったのだ。それが例え、相手が魔物になってしまった人間でもそれを受け入れるぐらいには好きらしい。
カブルーの仲間達は、心底呆れたが、だからといってパーティーメンバーからは外れていない。
なぜなら、ライオスを巡って戦うときのみ、迷宮の主であるファリンが浅い層にも自ら出てくるからだ。つまり隙あ
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