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ダンジョン飯で、IF 長編版
IFのIF  永遠に
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 潮風が吹き抜ける。
 観光客がまばらにいる中、その兄妹は、船から下りた。
「帽子飛ばされないように気をつけろよ。」
「うん。」
 金色の髪と、金色の瞳。そしてよく似た顔立ち。一目で二人が兄妹だと分かる。

 この島には、かつて迷宮と呼ばれるダンジョンが存在したと言われている。
 遠い昔のことなので、その存在は定かではないが、黄金の都があったとされる痕跡は地下に存在していた。
 しかし、黄金はすでに当時の冒険者達に盗掘され、黄金の都の証拠を失っている。
 けれど、地下にこれほどの建造物があるのだから、黄金の都があったのは確かだろうと歴史学者達は綴っている。

 冒険者など、そういうファンタジーなものが大昔のモノとなった現在では、すでに迷宮に挑む者はいない。そして迷宮の中にいたとされる魔物達も、その姿を消している。
 今では、名も忘れられたこの島にの観光名所として残っているだけだ。
 兄妹は、観光でここへ来た。
 買い物でできる抽選会でたまたまこの島への観光チケットが手に入ったのだ。
 兄のライオスは、一緒に行ける都合の良い人がおらず、妹のファリンに何気なく一緒に行くかと聞いたところ、快く一緒に行くと言ったのでこうして二人で島にやってきた。
 暑い季節がもうすぐ終わる時期で、まだ日差しが暑く、麦わら帽に夏用の白いワンピースをまとったファリンに、男性観光客達が目を向けている。
「まずは、宿でチェックインしよう。荷物置いてから島を回ろうか。」
「うん。」
 そういえば、こうして二人きりで旅行するなんて幾年ぶりだろうか…っとライオスは思った。
 先に家を出たライオスは、大学を中退したりしながらもフリーのライターの仕事につき、生計を立てていた。
 そんな時に、同じ大学に妹のファリンが進学してきて、家賃とかの関係で一緒に暮らしている。
 取材や学業で、中々二人で出かけることがなかったが、いつも家のことをしてくれる妹には感謝している。この観光旅行で少しでもその感謝が返せればと思った。
 予約していた小さな宿だが、昔ながらの趣があり、部屋も綺麗だった。
「布団ふかふか。」
 モフッとファリンがベットに飛び込んだ。
「まずは、ご飯食べに行こうか。」
「うん!」
 最低限の荷物を持って、他の大きな荷物を置き、二人は宿から食事処へ向かった。





***





 食事処も、昔ながらの趣がある。
 過去、ここで冒険者達が英気を養い、語らい合っていた頃の面影を再現している。
「へ〜、これが動く鎧か!」
「アッハハハ! 兄ちゃん違うよ。」
 メニューと写真を見て声を上げるライオスに、食事処のおばちゃんが笑いながら言った。
「この
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