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ダンジョン飯で、IF 長編版
IFのIF  魔物食を勧められ
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 もとが魔物だとかこの際もうどうでもいい。
 空腹とは最大の調味料とはよく言ったモノだが、それ以上にスープは美味しかった。
 なんというか、コクが違う。
「美味いです!」
「ありがとう。こっちも食べてごらん。刃魚は、生でも干物でも美味いんだ。」
「あ、ほんとうだ…。」
「これ、なんのお出汁なんですか?」
「コカトリスだよ。」
「こか…!?」
 コカトリスは、五階の魔物だ。
 バジリスクよりも圧倒的に凶悪だと、聞いている。
「長年の夢でね。同じ尾蛇種のバジリスクとコカトリスを食べ比べしたいって思ってたんだけど、ふと思いついてコラボしてみたんだ。うん。思った通り、相性はいい!」
「歩きキノコも美味いですね。歯ごたえも香りも…。」
「マツタケそっくりだろ? この種の歩きキノコは、特に歯ごたえと香りが良いんだ。栄養価もいい。」
「……ああ、身体に染み渡るようだ…。」
 空腹による栄養不足の身体に、スープに溶けた滋養が染み渡るようだった。
「いいかい? 栄養不足は、強い魔物に出会うことよりも恐ろしいことだ。塩漬けの肉や硬いパンばっかりじゃなくて、そこに歩きキノコや、人食い植物の木の実を添えるだけでずいぶんと違う。あ、そうだ、デザートに、人食い植物の木の実はどう?」
 キメラは、ミアオークの木の実を出して、輪切りにして皿に盛って出してきた。
 勧められるままに食べてみると、シャクッと歯切れ良く瑞々しくてさっぱりとした後味が残る。
「そこまで甘みが強くないんですね。」
「口の中がさっぱりする。」
「君達、身体が重たかったんじゃないのかい?」
「ええ…。でも今はずいぶんと軽くなった気がします。」
「ビタミンとミネラル不足だ。そういうときこそ新鮮なものを食べるべきだよ。」
 やがて大鍋にあったすべてのスープが無くなった。
「ごちそうさまでした。」
「久しぶりの満腹だ〜。」
「あの、…このご恩は…。」
「気にしないでくれ。俺は久しぶりに人間と食事が出来ただけで十分だ。」
 そう言ってキメラは、微笑んだ。
 ああ、とてもじゃないが魔物には見えない。
「あの…、あなたは本当に魔物なんですか?」
「……俺は、どう見える?」
「…キメラ……。」
「色々とあってね。今はこの姿になったんだ。地上じゃ生きられないから迷宮に住んでる。」
 確かにこんな姿では、地上では暮らせないだろう。
 そうなると必然的に他の魔物を狩って食べるしかないのだ。
 魔物をいかに美味しく食べるか、きっと試行錯誤しただろうに…っと、冒険者パーティーは思った。
「魔物食に詳しい人がいて、その人から、たくさんの料理の仕方を教わったんだ。」
「そんな人がいるんで
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