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ダンジョン飯で、IF 長編版
IFのIF  魔物食を勧められ
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成だ。」

「えっ?」
 ヌッと後ろから大きな影現れ、剣士の冒険者が陰に覆われた。
「う、うわあああああああああああ!!」
「きゃあああああああああ!!」
 仲間達が悲鳴を上げる。
 まさかバジリスクかと思ったが、明らかに人間の声だった。
 慌てて振り返ると、そこにいたのは……。
 人間の男の上半身と、竜と鳥を合せたような巨体を持つキメラだった。
 そういえば、ここのところ、こんな噂があった。

 あらゆる階層に、人間の形を持つキメラが現れて、魔物を使った食事をありがた迷惑に勧めてくると。

「まさか…。」
「君達、腹が減ってるのか? ずいぶんとやつれてるみたいだが。」
「え、ええ…。」
 魔物を使った料理を勧めては来るが、襲っては来ないとは聞いている。だが警戒は怠らずに返事をしていると腹の虫が盛大に鳴った。
 それを聞いたキメラは、プッと吹き出した。
 冒険者パーティーは、カーッと赤くなった。
「よかったら食べていくか? さっき仕留めたバジリシクを使えば仕上げられるんだ。」
「えっ? これ……あ、あなたの料理だったんですか?」
「ん? そうだけど?」
 魔物にしてはあまりにも暢気だし、他の魔物と違って殺意がないように感じる。
 しかしよく見たら、片手に首が折れたバジリスクを掴んでいた。
 キメラは、ナイフを抜き、バジリスクの処理を始めた。
 まず首を切って血抜き。
 次に、別に沸かした鍋に湯を張って軽く茹でて羽をむしる。
「あの…、手伝いましょうか?」
「手伝ってくれるのかい? それはありがたい。」
 怖ず怖ずと申し出ると、快く返事をしてくれた。
 とりあえず、みんなでバジリスクの巨体の羽をむしる。すると、大きな鶏肉になった。
「うわぁ…、こう見ると大きいけど、普通の鶏に見える…。」
「そうだろ? じゃあ、蛇の方はあとでスープか、燻製に使おう。」
 そしてキメラは、肉の一部を挽肉にして、どこから出したのかボールに入れて香辛料と調味料を加えて練り、肉団子にしてすでに何かの出汁が煮えている鍋に入れていった。
 挽肉に混ざった油と香辛料が溶け出し、スープが一段と良い匂いになった。
 もう口から垂れる涎が止まらない。
 さらに、キメラは、茂みの中に隠していた歩きキノコの死体を出して、切り刻み、鍋に加えていった。
「最後に、バジリクスの卵を溶いて、かき回せば…。できあがりだ。」
 バジリスクの卵を割って鍋に入れ、おたまでかき混ぜると、フワッと卵が浮く。
 そしてできあがったバジリスクの肉団子スープを、これまたどこから出したのか分からない木の器に入れ、キメラは冒険者パーティーに渡していった。
「い、いただきます!
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