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ダンジョン飯で、IF 長編版
第三十四話  夢魔の酒蒸し
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ファリンは、あっという間に寝た。





***





「なるほど…、確かに嫌な夢。」
 しかし、夢だと分かればこっちのものだ。
 ファリンは、杖を出現させた。ここは夢。思い描けば何でもできる。
 ファリンの杖から放たれた切り裂く魔法が、夢魔が作り出した悪夢を切り裂いた。
「はあ…、これだからイヤ。六階って…、基本的に精神攻撃だから。」
 んーっと、ファリンは考えた。
「えっと、マルシルは、今私が枕にしてるから…。」
 そしてファリンの姿がオオカミの姿になった。
 枕にしているから、掘り進めばマルシルの夢には入れる。そう判断して白い地面を掘った。
 そして、穴がやがて終わり、落下した。
「きゃっ!」
 落下した衝撃で、危うく目を覚ましそうになったが、なんとかなった。
 周りを見回すと、巨大で、広大な本棚の通路だった。本が宙に浮いており、いかにも夢…という感じをさせる。
「これがマルシルの夢?」

「誰かいるの?」

「えっ?」
 声がした方を見ると、小さなエルフの少女が人形を抱えていた。
 こんなところに少女がいるなんてと思ったが、ここはマルシルの夢だ。この少女がマルシルなのだろう。
「マルシル。」
「えっ! あ、あなた誰?」
「私だよ。ファリンだよ。」
 ファリンは、安心させるようにしゃがんで目線を合わせて微笑んだ。
「ここは、あなたの夢の中。だから早く目を覚まして…。」
 その時、地響きがなった。
「揺れ?」
「ああ…! あいつが来ちゃう!」
「あいつ?」
「逃げなきゃ! いいから、こっち!」
 小さなマルシルがファリンの手を握って走り出した。
「パパとピピも、あいつに飲み込まれちゃったの。」
「パパとピピ?」
 マルシルの悪夢は、何かに追われている悪夢だった。
 地味だが嫌な夢である。
 ファリンは、すぐに、立ち止まった。
「お姉ちゃん?」
「私が、あいつを倒してあげる!」
「何してるの! 危ないよぉ!」
「だいじょうぶ。私、こう見えても…。」
 その時、通路の奥の暗闇から、何かが現れた。
 それは、通路を圧迫するほど巨大な……色んな魔物が混ざった怪物だった。
「きゃっ!」
「いやあああああ!」
 想像以上だった。
 マルシルの疲労状態のせいでこれだけ悪夢が増長したのだろう。
 ファリンは、マルシルと共に走って逃げた。
「まずい…。これはまずいわ…。」
 これは、自分が立ち向かって勝てるとかいう話じゃない。
 マルシル自身がこの夢に打ち勝つよう導かなければならない。
「マルシル! 逃げちゃダメ!」
「無理!」
「これは、あ
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