第三十話 ドラゴンキメラ
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ああああ!!」
ファリンがカブルーを振り払ってライオス・ドラゴンキメラに抱きつこうとした。
すると、ライオス・ドラゴンキメラは、一歩退き、そして飛んだ。
それと共に、残っていたハーピー達も、飛び、ライオス・ドラゴンキメラと共に、建物の屋根を登って、飛び去っていった。
「…兄さん……。」
ファリンは、その姿を目で追いながら、両膝をついた。
***
ライオス・ドラゴンキメラとハーピー達が去り、静寂がおとずれた。
しかしこのままでは、他の魔物に襲われかねないので、すぐに蘇生が始まった。
まず、カブルーの指示を受けてホルムが、マイヅルを生き返らせる。
マルシルが治療を手伝うと言い出すと、シュローが止めた。
「お前は、指一本触れるな、マルシル。これ以上お前に黒魔術を使わせるわけにはいかん。」
「そ、そんなもの使わな…。」
「では、アレはなんだ!?」
シュローが怒鳴った。
「なぜ、ライオスがあんな姿に!? お前が竜の肉を使い黒魔術を用いたせいだろう!」
「違う……。そんなはずない。あの魔術にそんな力はない!」
でも…っと、マルシルは言った。
「炎竜の魂に何か術が仕掛けられてて、ライオスと竜の魂が混ざり、狂乱の魔術師によって、あんな姿に……。」
「シュロー。マルシルのせいじゃないわ。」
「こいつを、西のエルフに引き渡す。」
ファリンの言葉を無視してシュローが言った。
「俺には…、アレを殺せない。だがあのまま放置するわけにもいかない。せめて、魂だけでも迷宮から解放し、彼を安らかにしてやりたい。」
「そんな…。」
「エルフ達ならその手段を知っているはずだ。西のエルフ達の前で全てを打ち明けろ。」
「シュロー……、同じ事をしたかもしれないあなたが、それを言うの?」
「っ…、俺は…!」
「あなたは、きっと同じ事をしたわ。もし同じことをして、あなたは、自分の仲間に同じ事を言える?」
ファリンは、冷たく言葉を続けながら、マイヅル達を見渡した。
「夜な夜な……、寝静まった兄さんに、キスしてたあなたが……!」
「はあ!?」
それを聞いたチルチャックとマルシルが驚いて声を上げた。
「しゅ、シュロー、おまえ、ファリンが好きだったんじゃ…? ……、ま、まさか…。」
チルチャックは、驚きながら、だがすぐに察して、シュローとファリンを交互に見た。
シュローは、項垂れ、観念したように言い出した。
「そうだ。チルチャック……、俺は…、男女関係なく好きになる質なんだ。」
「バイ(※バイセクシャル)かよ!?」
「もしかして、あの晩の喧嘩って…。」
「……ファリンに、ライオスが好きだった
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