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ダンジョン飯で、IF 長編版
第二十七話  コカトリスの塩漬けとドライアドのザワークラウト
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 まず鍋の底にドライアドの蕾の千切りと調味料を混ぜた物を敷き。上に石化したマルシルを置く。
 コカトリスの肉を塩水に浸けたら、マルシルの膝の上に乗せて……、安置する。

「……えっと…、安定感は、出たかな?」
「これなら倒れることもないだろう。」
「邪教の偶像みたいだ。」





***





 それからファリン達は頑張った。
 チルチャックは、薬草探しをし、センシは、英気を養うために料理をした。
 ファリンは、中々回復しない魔力に歯がみした。
「焦っても魔力は戻らねぇから、焦るな。」
「分かってるけど…。」
「ほら、出来たぞ。しっかり食べて休め。」
「うん…。」
 ファリンは、少し涙ぐんだ。

 そして、四日が過ぎた…。

 チルチャックが見つけてきた謎の薬草を貼り付けたりして、マルシルは変なことになっていたが、いまだ石化は解けていない。
 ファリンは、マルシルの頬に触れた。
 そして息を吸って、吐いて、詠唱を始めた。
 ゆっくりと確実に、これで失敗したら魔力の消費損になってしまう。焦ってはダメだ。
 やがて詠唱が終わり…。
「? ……ファリン?」
「マルシル!」
「えっ? なに、なに? なんで野菜の輪切り? なんで鍋!?」
「どれどれ。」
 センシがマルシルをどかし、鍋の中の物の味を見た。
「こちらも成功じゃ!」
「やったー!」
「なんなの!?」

 そして調理が始まった。
 まず塩漬けにしたコカトリスの肉を茹で、薄切りにする。
 その横に発酵させたドライアドの蕾の千切りを置き、さらに、石化消し草も焼く。
「完成じゃ!」

 コカトリスのアイスバイン風。
 ドライアドの蕾のザワークラウト風。
 付け合わせの石化消し草グリル。

 そして実食。
 その間に、これまでのことを話した。
「え、そんなに経ったの? 噛まれてすぐ抵抗呪文を唱えたのに……。押し負けたか…。」
「結局何が一番効いたんだろう?」
「色々試しすぎてわからんな。」
「やっぱり私の呪文?」
「いーや、薬草の鮮度がよかったと見るね。」
「調理されたコカトリスの肉が呪いを中和したのでは?」
「みんな、ごめ……。」
 マルシルは、言いかけて、一瞬止まった。
 謝る前に、まず言うべきことがある。
 そして…。

「人を…、漬物石に使うな。」

 っと、怒った顔で言ったのだった。
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