第二十六話 ドライアドのポタージュ
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ライアドと戦ってたの? 大変だったね…。」
「うん…。花粉が…。」
「しかし、花の魔物とは…、すっかり人間の男女だと思ったわい。」
「ドライアドは、単性花だから、男女には違いないけど…、あっ! そうだ!」
ファリンは、ハッとして茂みの中を探り出した。
「……どうする、あれ?」
「…でも、私達、いよいよ贅沢言ってられないし、花が人の形をしてるからって、今更なに?って感じ…。」
「マルシ…。」
「あ! あったーー!」
ファリンがついにドライアドに実を見つけ出した。
カボチャのような形状ではあるが、……表面には、はっきりと人の顔が…。
「……時……、遡る…。」
「やめろ! さらっとヤバそうな魔術を探すな!!」
贅沢言ってられないとは言え、どうしても常識は捨てられないマルシルであった。
一方、センシは、死んだドライアドをしゃがんで見ていた。
「このドライアドからは花粉が出なかったね。つまり雄花だわ。雄花は受粉前の花が果実の世話をしたり、守ったりしているって兄さんが言ってた。」
「こっちにも実みたいなものがなってるぞ。」
「あ、それは蕾だね。それが咲いてドライアドの花になるんだよ。」
「こっちの方が食べやすそうだな。」
「なかなか美味しいかもしれないね。収穫してみよう。」
そう言って蕾を取っていくが、途中でセンシがそれを止めた。
「…あまり、獲りすぎてくれるな。」
「…わかった。」
「お、マンドレイクも生えてる。犬を用意する暇はないから、首を切るけどいいよな?」
「うるさいなー。いつまで引っ張るの。」
「ねえ、センシ。これは食べれる?」
「見せてみろ。」
そして、緑の生い茂った墓場から、色んなものが収穫できた。
「うむ。中々の収穫になったな。オーク達から斧を借りておいて正解だったわい。」
「?」
そして、センシがドライアドの実を斧で割った。
なにせ顔があるため結構な絵面である…。
そして調理開始。
まず、砕いたドライアドの実を水と一緒に鍋で煮て、柔らかくなったら火を止めて、鍋の中ですりつぶす。
ペースト状になったら、再び水を加え、味付けをする。
次に、ドライアドの蕾を輪切りにする。シャクッと瑞々しい音が鳴る。
「ふむ、良い香りだ。これなら…。」
輪切りにした蕾をバターを溶かしたフライパンでさっくり炒め、さらにキノコを加え、溶かしたチーズを上からかける。
「完成じゃ!」
ドライアドの実のポタージュと、チーズかけドライアドの蕾のソテーの完成である。
そして実食。
「…なんで、そこに入れたの?」
ポタージュスープはいいのだが、顔のある実の方に入れ
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