第二十六話 ドライアドのポタージュ
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器から入り込むと、粘膜へとへばりつく。
そして体はこの見覚えのある粒子を毒と判断し、免疫を総動員し迅速に排出へ取りかかる。
それすなわち……。
「ぶわあっっ、くしょおおい!」
花粉症である。
ファリンもやられて涙をボロボロと零しながら鼻水を垂らした。
「ドライアドの花粉か! やばい吸い込むな、センシ……。」
だが遅かった。二人とも花粉にやられて、目も鼻もグズグズだった。
「まずいって!」
残るドライアドの花が迫ってくる。
「ファリン!」
ファリンは、剣を見失ってフラフラとしていた。
「…くそ、俺も目が…。センシ、手を伸ばせ。俺の合図でそれを後ろにたたきつけろ。」
背後にドライアドの花が迫り、ドリルのように渦巻いたツルを振り下ろそうとしていた。
「いち、にい、さん!!」
チルチャックの合図で、振られた剣がドライアドの花を切り裂いた。
再び花粉が飛び出す。
それによって、チルチャックの目もやられた。
残るドライアドの花が手を同じようにドリルのようにして、迫ってくる。
ドライアドの花がセンシの腕にそれを突き刺してきた。
「うぐ!」
闇雲に剣を振るっても当たらない。
連続して攻撃が来た。
「センシ、逃げろ!」
「ならん! わしは、若い者達を守らなくてはならない!」
「なんだよ、それ…。」
「チルチャック、お前がわしの目になれ!」
「無理だよ! 何も見えない!」
「お前には優れた五感があるだろう!」
チルチャックは、口と鼻に巻いている布を取って、視界以外の五感を使おうとした。
匂い。花粉の匂いが強くてダメ。
音…。センシのくしゃみがうるさい。
視覚、嗅覚、聴覚も、あてには…、っとその時だった。
何かが動く気配があった。
風!
「くしゃみを避けて、右斜め後ろに逃げた! このまま振り上げろ、センシ!」
そして、センシの剣が最後のドライアドの花の首を切断した。
***
一人残っていたマルシルは、杖を触っていた。見事に真ん中から折れてしまっている。
「早く補修して、魔力を与えないと杖が死んじゃう…。」
長い年月をかけて、ここまで育てたのにっと、マルシルが残念がっていると、ファリン達が戻ってきた。
「わーーーー!」
マルシルは、三人の惨状に驚き声を上げた。もうドロドロ…、顔から出るもの全部出ている。
「こ…、ここは、この中は安全だ…。」
「嘘をつけ!!」
マルシルが絶叫した。
そして、ドライアドがいた林の中にある噴水で、顔を洗った。
首を失ったり、胴を切られたドライアドが転がっている。
「ド
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