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ダンジョン飯で、IF 長編版
第二十一話  vsレッドドラゴン
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「構うな…、走れ!」
 センシが吐血しながら叫んだ。
「今どけてやるから!」
 チルチャックが、センシを踏んでいるレッドドラゴンの足に近寄った。
 するとレッドドラゴンが、チルチャックを食おうと口を開いた。
 それをチルチャックは避ける。
 その一瞬に隙をついて、チルチャックが包丁を左目に投げた。
 包丁は見事にレッドドラゴンの左目に突き刺さった。
 レッドドラゴンが絶叫をあげ、暴れる。
 両目を失い、闇雲に暴れたことで、周りの建物が崩れ落ち、チルチャックの頭の上に落下してきた瓦礫でチルチャックは倒れた。





***





 二人が作った隙をついて、竜から離れたファリンは、走ってきたマルシルと合流した。
「今、どうなってるの?」
「ごめん、立てた作戦全部失敗しちゃった。二人は今、竜の足元で気絶してるわ。」
「ええ!? ど、どどどど、どうしよう!? あ、私の魔法しかないか…。」
「マルシル…。頼みがあるの…。」
「なに? 何でも言って!」
「あのね…。」
 ファリンは、マルシルに頼みを伝えた。
 それを聞いたマルシルは、大きく目を見開いた。
「そ、そんなこと…! うまくいくわけないじゃない!」
「アイツ(レッドドラゴン)…、私とチルチャックを食べようとしたわ。」
「でも、でも!」
「……きっと、お腹がすいてるのよ。」
 ファリンは、酷く冷たい声で呟く。
 ギリッと杖を握る手に力がこもる。
「絶対に…私が…殺す!」
 その言葉と表情に、マルシルは、ゾッとした。





***





 両目を奪われたレッドドラゴンは、スンスンと鼻を鳴らし、匂いを辿って獲物を探した。
 すると、香ばしい肉の焼ける匂いがした。
 たまらずそちらを向く。

 ファリンが左手に燃える大ガエル肉を串に刺した状態で持ち、右手に杖を握って立っていた。
 すでに詠唱と魔力が込められ、右手の杖の先端が、ギラギラと魔法をまとって光り始めていた。

 空腹と怒りにレッドドラゴンは、吠え、グワッと口を開けてレッドドラゴンが迫った。
 ファリンは、横にそれてその口を避けた。
 ガチンッと空しくレッドドラゴンの歯と歯が鳴る。
 目が見えず、そして獲物を逃したことで、ますますレッドドラゴンが怒り狂いだした。
 ファリンは、建物の壁に背中を押しつけた。
 レッドドラゴンが匂いを辿ってファリンの方を向く。
 レッドドラゴンが再び口を開けて、怒りのままに突撃してきた。
 ドゴォォオオンッと轟音が響く。
「ファリン!」
 マルシルが悲鳴を上げた。

「………これを…、待ってたの。」
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