第二十一話 vsレッドドラゴン
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「待ってて! 今なんとかするから!」
上にいるマルシルが魔法を使った。
いくつかの爆発魔法が炸裂する。だが……、レッドドラゴンの強靱な鱗には傷ひとつつかない。
レッドドラゴンがマルシルの方を睨み、舌打ち音を始めようとした。
その隙にセンシが斧を振りかぶってレッドドラゴンの足を切りつけようとした。
ところが、当たった瞬間、斧の刃は砕け、しかも柄の部分まで折れた。
「ぬう!」
攻撃を受けたと感じたレッドドラゴンがその足を振るってきたので、三人はなんとか避けた。
「唯一の武器が…、どうすんだよ! ここから!」
「……仕方ない。」
するとセンシは、自らの愛包丁を取り出した。
「これを使え!」
「え…?」
「やっぱり、それ特別な金属でできてんのか!?」
「あらゆる魔物の骨や皮を断ち、わしが一日と欠かさず手入れをいれた……。この世に二つとないかもしれない、ミスリル製の包丁じゃ。」
「ミスリル!?」
「まじかよ…。」
「ナマリに見せてあげたかった…。」
「アイツ場合によっちゃ、センシ殺すぞ?」
「なんとなくそういう感じはしたので黙っていた。」
その時、止まっていた三人めがけてレッドドラゴンの足が振るわれてきた。
「この!」
ファリンが包丁を振りかぶて、レッドドラゴンの足に刃を突き刺した。
「す、すごい! 本当に竜鱗を貫通するんだ! ……でも…。」
いくらすごい金属といえど、しょせんは包丁…。この程度の刃の長さでは、鱗の表面を傷つけられるだけで、まったく致命傷を負わせられない。
「ファリン! ボーッとするな!」
「くっ!」
ファリンは、包丁を抜き、レッドドラゴンの足を避けた。
「っ…。チルチャック!」
「えっ? はっ?」
ファリンは、包丁をチルチャックに投げ渡した。
「左目を狙って!」
「なにぃぃ!?」
ファリンは、前に向かって走り出した。
「ファリン! っ、くそ!」
竜の注意がファリンに向く。
「なにか考えがあるのか!?」
「両目を潰してしまいたいの! それで逆鱗を狙う隙を突きたい!」
走るファリンに向かって、レッドドラゴンの口が迫ろうとした。
その背中をセンシが庇い、間一髪口に捕われるずにすんだ。
「センシ!」
「いいか、ファリン。今までおまえが食ってきた魔物の中に…、死力を尽くさない者がいたか? ここでは、食う食われるかだ。必死にならなければ、食われるのはこちらだ。腹をくくれ!」
「!」
「行くぞ。」
「ええ!」
二人は離れて走り出した。
レッドドラゴンの足が、少し遅いセンシの上に迫り、その瞬間、センシを踏み潰した。
「ぐっ!」
「センシーー
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