第二十一話 vsレッドドラゴン
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ン達は、衝撃でこけていた。
三人は立ち上がり、後ろを見る。
瓦礫の山だけがあり、レッドドラゴンの姿は見えない。
しかし、次の瞬間。レッドドラゴンが瓦礫を突き破るように立ち上がった。
「きゃああああああああ!」
押しのけられ、飛び散った瓦礫が降り注いでくる。
「うそうそうそ! まったく効いてない!」
上の方にいたマルシルが焦った。
「う……。」
「シッ……、動いちゃダメ。」
呻いたチルチャックに、仰向けで寝転ばされたファリンが小声で言った。
すぐ上を、頭を下にやったレッドドラゴンの頭が過ぎる。
どうやら、こちらを探しているらしいが、瓦礫の煙で視界が悪く、また瓦礫に紛れる形で、ファリン達は気づかれてなかった。
もう少し…、もう少し!っと、ファリンは、抜いていた剣を握って、逆鱗が真上に来るのを待った。
だが……。
ぱんっと、ファリンの手から、剣がはじけ飛んだ。
「あ…。」
カラーンと空しく音を立てて動く鎧の剣が離れた場所に落ちた。
逃げた!
ファリンは、剣の動きからそう理解した。
「ファリン…、おまえ……。」
「っ…、こ、これは…その…。」
「ファリン! チルチャック! 二人とも起きろ!」
センシが二人を助け起こした。
「上だ!」
上を見ると、三人の存在に気づいたレッドドラゴンが舌打ち音を発し始めていた。
「あああああああああああああ!!」
ファリンは、半ばやけくそで杖を握り、その先端から切り裂く魔法を放った。
チュンッと音を立てて放たれた切り裂く魔法は、狙ったわけでもなく、たまたま、本当にたまたま、レッドドラゴンの右目を切り裂いた。
レッドドラゴンが絶叫をあげた。
「やった!」
「なんでその魔法なんだよ!」
「言ってる場合じゃないわ! 腹部に潜って!」
三人は、レッドドラゴンが悶えている隙に、レッドドラゴンの腹部の下に潜り込んだ。
「それと! ファリン、おまえ…!」
「悪かったから…、それは本当にごめん。」
「くそ! 共通語じゃ罵倒の語彙が少なすぎる!」
チルチャックは、怒りのままに別言語で罵詈雑言を吐き出し始めた。
「あ、なんだか分からないけど、すごい下品なこと言われてる…。」
ファリンが、剣のことで少し反省していると、腹部に逃げ込んだ三人に向けて顔を向けてきたレッドドラゴンが吠えた。
そして、ドスン、ズシンっと四本の足を暴れさせた。
「尻尾の方から…!」
そう言って尻尾の方へ行くと、今度は太い尻尾がゴウッと空気を裂く音を立てて、その後、凄まじい破壊音を立てて建物の壁を破壊した。
足で潰されるか…、尻尾で潰されるか…。最悪の二択が残った。
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