第二十話 大ガエルのカツレツ
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「竜には、魔法も武器も効きにくい…。鋼のような鱗が覆ってるから…。」
次に。
「でも、たったひとつだけ脆いところがあるわ。」
そうそれである。
「首の下の、逆鱗よ。そこだけは、鱗の隙間が重なっていて、しかも急所が集まっている場所。」
そこさえ破れればっと、ファリンは、杖を握りしめた。
「ファリン…、お前じゃ無理だぜ?」
「分かってる。でも、距離さえ詰めれば、切り裂く魔法を当てられなくわないわ。」
「そのレッドドラゴンは、どの程度の大きさなんだ?」
「えっと……。あっ…、あそこ。」
ファリンが上を指さした。
そこには、床が一部欠けた通路がかかっていた。
「あの崩れた廊下ぐらいかな?」
「…っというか、あれ、竜が頭ぶつけたあとじゃないか?」
「あっ!」
チルチャックの指摘で、ファリンは、気づいた。
「ファリン。おまえの魔法は、あそこまで届くのか?」
「ううん…。そこまで距離が離れたら威力が落ちる…。」
ファリンは、悩んだ。
どうすれば、逆鱗を切り裂けるかを。
……こうして悩んでいる間にも、レッドドラゴンの消化は進んでいるかもしれない。そう考えるとファリンの心に焦りが生じ始める。
「落ち着け…、落ち着くのよ…私…。兄さんならどうする? 兄さんなら、どう竜を攻略する?」
頭を抱えて、ブツブツとファリンは、思案を巡らせる。
「そうだ。あそこに登ってみてみよう。」
そう言ってファリンは、レッドドラゴンが頭をぶつけたと思われる通路のところへ向かった。
そこから下をのぞくと、結構な高さだった。
「ここから、狙っても…。」
「無理無理。その前に、食われるぜ?」
「火の息は、ファリンの魔法でなら防げるけど…、ナマリの見立てじゃセンシの斧じゃ竜の鱗に立たないって言うし…、ファリンが今持っている剣は…?」
「たぶん刺さるとは思うけど…。私、そこまで剣は得意じゃないから…。」
「それに竜を気絶させられるほどの魔法を唱えるには、時間が必要よ。それまでどうやって時間を稼ぐの?」
「そのうえ、誰かがとどめをささなきゃいけない…。」
問題は山積みだった。
ファリンは、心の焦りを吐き出すように大きく息を吸って吐いた。
その時下を見たのだが…。
「あっ…。」
パラリッと僅かに床の素材が崩れ落ちたのを見た。
「ねえ…、マルシル。」
「なに?」
「建物を爆破させるっていうのは、どう?」
「えっ?」
「ここ、多いでしょ? こういう建物の通路…。竜が通る瞬間に、それを爆破させれば……、竜の首を下に…!」
「あ…!」
「準備のための時間稼ぎは、確かに私達じゃできない。でも、竜から逃げつつ、おびき寄せる
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