第十九話 大ガエルのパスタ
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」
大ガエルの皮を外してみると、チルチャックの手は無事だった。
それを見たファリンは、少し考え。
「チルチャック。これ、すごくいいアイディアだよ。」
***
まず大ガエルを解体し、皮を肉から剥がす。
壁に貼り付けて、軽く乾かし…。
採寸。
そして軽く乾かした大ガエルの皮を裁縫していく。
その間に、センシが調理。
まず、テンタクルスの皮を剥き、先端の細い部分は、まとめて取っておく。
そして鍋で茹でる。
茹で上がったら、潰して、小麦粉とよく混ぜ合わせる。
それを棒状に整形し、適当な大きさに切る。このとき、フォークで跡を付ける。
切り終えたものを再び茹でるのだが、茹で加減に気をつける。先ほど取って置いた細いテンタクルスの先端も茹でる。
フライパンにオリーブオイル、ニンニクと唐辛子、塩などの調味料、大ガエルのもも肉を加え、炒めたら、先ほど茹でたものを加えて和える。
「完成!」
大ガエルスーツの完成。
「完成じゃー!」
テンタクルスと、大ガエルのニョッキ(パスタ)の完成。
「あああああああああああああああ! もーーーーーーー!」
マルシルが頭を抱えた。
「一人ずつ持ってこい! どっちをやめさせるか迷ってるうちに完成したわ!」
「まあまあ、着てみてよ。」
「そうだそうだ。一口だけ食べてみろ。」
「一人ずつって言ったでしょうが! 本当に安全なのかも怪しいし…。」
頑なに拒否するマルシルに、ファリン達はヒソヒソと話し合った。
そして。
「マルシル。これを着たら…、すごく可愛いと思うよ!」
「……。」
そして、大ガエルスーツを全員で着てみた。
……シュール。その一言に尽きるかも知れない。
「か、可愛い可愛い! 色が良く映えてるよ! 耳の辺りがカエルらしいシルエットになってイイね。」
「…とっとと行くぞ。」
自棄になったマルシルが先に進み出した。
そして一行は、テンタクルスの中にソーッと入った。
「すごい! 全然痛くない!」
「うわー、気持ち悪い気持ち悪い。」
毒刺は、刺さらないが、触手があたる感触があってマルシルは嫌がった。
「綺麗だな〜。うん。美味しい。」
そしてファリン達は、センシ作の大ガエルのパスタを食べながら、テンタクルスの中を進んでいった。
***
やがて階段が終わり、床に落ちていた剣と杖を見つけた。
「よかったぁ…。」
とりあえず武器が戻ってきて安心した。
「あ! 見て!」
階段のある建物外には、城下町の跡地が広がっていた。
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