第十九話 大ガエルのパスタ
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水中歩行で進んだ先にある、水面に出た小さな建物。実際は、これは塔であるがほとんど水に沈んでいる。
そこが階段になっており、地下に進める。
「あのさ。道、間違ってない?」
「ううん。この階段だよ。」
「この階段をどうやって降りるんだよ?」
チルチャック達が言う理由は一つ。
地下への階段が、テンタクルスまみれだったからだ。
そりゃもうありとあらゆる種類のテンタクルスまみれだ。足の踏み場もないとはこのことだ。
「こりゃオーク達に騙されたな。丁寧な嫌がらせだ。」
「そうかな? 集落に通じる道だよ。近寄らせないようにするって点ではうってつけじゃない? 少し進んでみよう。」
ファリンは、剣を抜いてテンタクルスを切っていった。
「迂回した方が早いと思うけど…。」
はあ…っとため息を吐きながら壁にもたれるマルシル。
それに気づいたチルチャックがその肩を掴んで引っ張った。
「あんまり壁に近づくな。」
「えっ?」
次の瞬間、マルシルの横の壁から花のようなテンタクルスが生えてきた。
「こいつらは壁の中に身体を隠す。」
チルチャック曰く、テンタクルスは、たくさん居る場所はそれだけ空洞があり、罠や仕掛けが多い場所ということらしい。
仕掛けを圧迫して、壊す。
宝箱の上に生える。
罠とつるんで悪さをする。
ミミックの次に、ぜひとも滅びて欲しい魔物だと、チルチャックは忌々しそうに言った。
「私は、結構好き。兄さんも好きだって言ってた。」
「はあ?」
「色んな種類がいて、見た目も綺麗だし。」
「綺麗ってだけなら、大半の魔物は無害だ。」
「確かに刺胞があるけど、それさえなければ、女性にも人気が出そうだよ。」
「…最低だ。」
うんうんと頷いているファリンに、チルチャックは、小さく言った。
「さてと。結構進んだはず……、っ。」
ファリンは、後ろを振り向いて絶句した。
全然進めていないのだ。
テンタクルスを切り刻みながら進んだつもりだったが、すぐそこが入り口だった。
下を見ると、地下への階段はまだまだ長い。そしてテンタクルスまみれだ。
「おかしい…。オーク達は、ここを通って三階に来たはずだわ。一体どうやって…。」
先ほどからテンタクルスに反応してか、剣が反応していた。
するとチルチャックが物音を聞いた。
「なんかいる。気をつけろ。」
そして、次の瞬間目にもとまらぬ早さで何かが発射されてファリンが手にしていた剣が消えた。
「えっ?」
「なんだ!?」
「ウンディーネ!?」
全員の視線が、天井にぶら下がる凄まじい数のテンタクルスの大軍の中に向いた。
その中に、テンタクルスに掴まっている
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