第十八話 ウンディーネのシチュー
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う。」
***
そしてウンディーネの水を使った調理が始まった。
まず、じゃがいも、ニンジン、タマネギ、テンタクルスの皮を剥く。テンタクルスは、毒針があるのでタオルで持ちながらフォークを使って皮を剥く。
それらを適当な大きさに切る。
次にケルピーの肉に、塩・コショウ。
それをフライパンで焼き、表面を焼く。このとき出た肉汁は、ブラウンソースに使う。
タマネギ、ニンジンを加えて炒め、ウンディーネの中に入れる。
灰汁をよく取り。
じゃがいもと香辛料を加えていく。
そしてしばらく煮込んだら……。
最後に味見。
マルシルは、味見をして笑った。
「完成〜!」
こうしてできあがったのが、ウンディーネで煮込んだテンタクルスとケルピーのシチューである。
やがて別の塔の調査に行っていたファリン達が戻ってきた。
タンス以外はみんな顔や身体が腫れていた。テンタクルスで。
「あんな大繁殖してるとは…。」
「片付いてよかったわい。」
「あ、ねえ。一緒にご飯食べてかない?」
そして全員にシチューが配られた。
マルシルが、ちょっと抵抗しつつシチューをガツガツと食べた。
そして杖を握ってみると。
わずかに杖の先の芽が起き上がった。
「やった! 少し魔力が回復してるみたい!」
「やったね、マルシル!」
「ほら、ファリンも食べなよ。ファリンだって魔力結構使ったでしょ?」
「うん!」
「……ずっとこんなことしながら、ここまで来たのか?」
「うん? そうだよ。」
それを聞いたナマリは愕然とした。
仲間を抜けたことで誹られる覚悟はあったが、こんな姿を見る羽目になるとは思わなかったからだ。
これもある種の罰かと思いながら、シチューを口にする。するとその味に目を見開いた。
「旨っ!」
「美味しいでしょ?」
「鍋の性能か? アダムマントは、鍋にも適しているのか?」
ナマリは、ブツブツと言った。
そしてセンシの方を見た。
「センシっていったか…。その…斧のこと馬鹿にして悪かったな。」
「構わん。わしが鍛冶全般に興味が無いのは事実だ。鉱石の見分けもつかず、昔の…、仲間にもよく呆れられた。」
そうセンシは語った。
すると、タンス夫妻がシチューを食べずに置いた。
「ナマリ。わしらは地上に帰る。」
「えっ?」
「お前はここに残ってもいい。」
「! …何言ってんだよ!」
ナマリは、おかしそうに笑った。
「一口くらい食ってみろって! 食感はアレだが結構いけるから。」
そう言ってナマリは、タンスにシチューを食べさせた。
「……信じて
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