第十六話 ケルピー肉の焼き肉
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流から逃れるため、マルシルは、湖の方へ飛び出していた。
水から顔を出し、慌てて水中歩行の魔法をかけて立ち上がろうとしたとき、後ろの方でウンディーネが元の形に戻りつつあった。
ウンディーネは、水の精霊であるため攻撃のたびに水に戻り、元に戻るのを繰り返す。
その習性故に隙は大きいが……。
「武器はダメだ…。火が無いと…。」
そう、弱点が限られており、なおかつ不定形であるため…。
「マルシル! 一人でなんとかしろ!」
「そう言われても……。」
しかも杖がない今のマルシルでは、不定型なウンディーネを狙って爆発させるのは難しいのだ。
マルシルは、両手をかざし、連続して爆発魔法を繰り出した。
爆発により、通路の柱と壁が崩れ、ウンディーネが散った。
そして静寂がおとずれた。
「マルシル! 何ボーッとしてんだ!」
声をかけられハッとしたマルシルがチルチャック達の方へ走った。
その直後。マルシルの足を、ウンディーネの水の弾丸が貫いた。
「っーーーーー!」
「マルシル!」
「やめろファリン! おまえの魔法じゃどうにもできねぇ! 距離が遠い!」
不定型なウンディーネ相手では、切り裂く魔法は効き目がない。しかもマルシルとの距離があり防御魔法も使えない。回復させてやりたくても接近しないとできない。
水の上で膝をついたマルシルを、ウンディーネが元の姿に戻りながら見おろす。
そこを狙ってマルシルが爆発魔法を当てた。ウンディーネは、散り、水に落ちた。
「やったか!?」
「ダメ! 水に逃げたわ! マルシル、立って!」
「…っ…、ど、どこ!?」
マルシルは、闇雲に水に向かって爆発魔法を当てた。
「どこ!? どこ!?」
そして背後から撃たれた水の弾丸により左肩を貫かれた。
「っ!!」
ギッと背後を見たマルシルが、爆発魔法を後ろの水面に当てた。
爆発により水しぶきが振ってくる。
「ああ…、すっとろくて見てられない!」
「待て! 今、火を起こす!」
「間に合わないわ…。待っててマルシル!」
「行くな!」
駆け出そうとしたファリンをチルチャックが止めた。ここでファリンまでやられてしまったら、お終いだから。
マルシルは、左肩を押さえて激しく呼吸を乱していた。
もう魔力は少ない。次の一撃でなんとかしないと死ぬ。
何か、何か変化があるはずだと、マルシルは水面を見た。
その時、変化は起こった。
わずかにマルシルの血が入ったことで水の色が違い、そこが動いている。
「そこ!!」
そしてマルシルは、そこに向かって最後の爆発魔法を当てた。
マルシルがの身体が吹き飛び、その身体は通路の方へ飛んだ。それをフ
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