第十五話 クラーケンの寄生虫の蒲焼き
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要領で綺麗に切り裂いていく。
そして、開いたその身をいくつかに切り分け、串に刺していく。これもウナギやアナゴと同じようにする。
火を起こし、網の上で焼く。
半分は塩を振り、もう半分の身には調味料を混ぜたタレを塗っていく。
ジュージューと落ちたタレが焼け、いい匂いがし始める。
「ああ! 一丁前にいい匂いして、腹が立つ!」
マルシルとチルチャックが嫌そうに、だが涎を垂らして叫んだ。
ファリンがセンシの調理を手伝っていたが、こっそりと……、生の身を…。
そして…。
「完成じゃ!」
ジャイアントクラーケンについていた、ジャイアント寄生虫の蒲焼きと、白焼きの完成であった。
あと、クラーケンの胴体の身の一部も焼いてみた。
そして実食。
先ほど生のクラーケンで痛い目に遭ったファリンが目をつむりながら、寄生虫の蒲焼きをかじった。
「ーーー美味しい!」
寄生虫の蒲焼きは、すごくフワフワしており、少々ぬめりがあるものの、肉厚だった。
ファリンに続いて、他のメンバーも蒲焼きと白焼きを口にした。
「お…、おいしい…。」
「いける。」
「普通の魚とはまた違った美味しさだね。もしかしたら、イカやタコよりも美味しいかもしれないんじゃ…。」
「そんなこと! ……ないよ、多分。」
マルシルは、自信なさげに反論した。
そして焼いたクラーケンの身もかじってみた。
「…固い……。」
「む? それにかなりの大味だな。」
「やっぱりクラーケンって不味いの? イカやタコってこんな味なの?」
「違う違う! こんなんじゃないわよ! 誤解しないで!」
「寄生虫は、生で食べてみても良かったし。どんな料理でもいけるのかも?」
「ちょ…! 生で食べたの!?」
「少しだけ。もう死んでるしだいじょうぶだよ。兄さんに味のこと報告したいし。」
ファリンは、そう言って微笑んだ。
「お…? 魚がクラーケンを食ってるぞ。」
「これで、中型の魔物の数も徐々に戻るじゃろうな。」
外の湖に浮かんでいるクラーケンの死体に魚が群がってきていた。
「……んん?」
「ファリン? …まさか……。」
「お腹が…、イタタタ!」
「やはりのう。ファリン。お前、大寄生虫の中の寄生虫に当たったな。」
「ええ!? あ…、イタイ! ううう!」
「普通の魚にもよく付く奴だ。捌いているときに見た。」
「そんな……。」
センシが言うには、人間には寄生しないが、胃に穴を空けるので非常に厄介なのだそうだ。
こうなってしまっては、虫が胃液で死ぬのを待つしかないという。
「先に、私が死んじゃったら…?」
「時々回復魔法をかけてやったら?」
「もう
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