第十五話 クラーケンの寄生虫の蒲焼き
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それからマルシルは、ペラペラとイカやタコがどんなに美味しいのかと語った。
「隣町に美味しいお店があるの。今度教えたげるね。」
「今じゃ…、ダメ?」
「……あ。」
目の前には、じゅるっと涎を垂らしたファリンがいて、マルシルは、自ら墓穴を掘ったことを自覚し頭を抱えた。
***
「わあ! 変なの!」
巨大な角切りにしたクラーケンの足。吸盤の一つを身ごと角切りにした物を持って、ファリンははしゃいだ。
なにせデカい。元々大型の魔物なのに、普段の数倍デカいのだから吸盤一つで両手で持たないといけない大きさだ。
「どうやって食べよう?」
「とりあえず塩を振ってみるか。」
「わーい。いただきまーす!」
センシに塩を振ってもらい、ファリンは嬉しそうにクラーケンの身にかぶりついた。
ところが…。
「うぇええ!」
「どうした?」
「…臭い……。」
とんでもなく臭く、それでいて口の中をジリジリと痺れさせるエグミが広がり、ファリンはたまらず泣いた。
「マルシルは、これをあらゆる料理にして食べるって…。」
「違う違う! 変な誤解しないで!」
「ふむ…、では焼いてみるか?」
「それなら…。」
「ファリン…、クラーケンは不味いのかもしれないわよ?」
ファリンがマルシルの方を見てきたので、マルシルはそう答えた。
「でも、イカやタコって美味しいんでしょ?」
「クラーケンは別って事よ。」
「場所が悪いのかもしれないな。別の部分を試してみよう。」
そう言ってセンシは、胴体部分に移動し、皮を剥こうとした。
すると皮の下に何かがモゾモゾと動いていた。
「む?」
センシが皮を剥いてみた。
すると、シャアアア!っと蛇のようなモノが飛び出してきた。
センシは、斧でそれを撃退した。
「寄生虫だ。」
「寄生虫!?」
「わー、すごいすごい! 大きい魔物は、寄生虫も大きいんだね!」
ギョッとするマルシルとは反対に、ファリンは、死んだ寄生虫を持ってはしゃいだ。
「やだ、気持ち悪い! 捨てて、早く!」
「何を騒ぐ。生物に寄生虫はつきもの。そしてその多くは、料理にも紛れ込んどる。」
「わざわざ言わなくていい!」
「ねえ、センシ。これを料理するってのはどう?」
「やだあああああああ!!」
「そういう考えもあるな。」
「い、や、だ!!!!」
マルシルは、激しく地団駄を踏んで、嫌がった。
***
そして寄生虫の調理が始まった。
先ほどクラーケンの眉間(?)を突き刺した銛で、寄生虫の頭部分を刺し固定する。
そして包丁を刺し、ウナギの
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