第十二話 ミミックの塩茹で
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後チルチャックは足をどけて難を逃れた。
ガタンッとミミックが入っている棚が後ろに斜めに倒れたため、その後ろにあったスイッチにチルチャックがぶつかった。
「しま…っ。」
そして次の瞬間、ミミックの下にあった槍の罠が作動し、ミミックが打ち上げられ、そしてチルチャックは跳ね飛ばされた。
床に転がったチルチャックは、助かったと思ったが…。
やがて槍の罠が元に戻り、ミミックが床に降りた。
頑丈な棚であったため、中のミミックに刺さらなかったのだ。
ミミックがものすごい勢いで足を動かしチルチャックに迫ってきた。
「頑丈だな、おまえ!」
逃げるチルチャックの脳裏を、ライオスのうんちくがなぜか過ぎった。
ミミックは、ひっくりかえすとバタバタして可愛いよ、とか。ひっくり返すとオスかメスかわかるよ、とか。どうでもいい雑学ばっかりだ。
「ひっくり返すって…、無理だろ!」
部屋の中を逃げまわるチルチャックは、部屋の隅にあるスイッチの下に追い詰められた。
背後からミミックが迫る。
「ええい…、いちかばちか!」
チルチャックは、背中を壁に押しつけ、スイッチを押した。
途端、床から槍の罠が発動し、チルチャックの眼前に迫っていたミミックが槍によってひっくり返され、チルチャックは槍を逃れたものの左頬を切った。
やがて槍が引っ込み、ミミックがひっくり返って一時的に止まった。
「いってぇ…、今の騒ぎで誰か助けに来てないから…? っ…。」
ヨロッと歩いていたチルチャックは、気づいた。
ミミックだと思っていた木箱の方が空っぽだったことに。
腹が立ったチルチャックは、木箱を蹴った。
すると箱が開き、中にあの時のコイン虫が入っているのを発見した。
「あ…? この文字…。」
チルチャックは、コイン虫を手に取ってそこに書かれている文字を読んだ。
「これが…プレートの文字か! これならなんて書いてあるか知ってるぞ!」
チルチャックがそうしている間に、ミミックの棚から足が出て、徐々に立ち上がろうとしていた。
「いそげっ!」
コイン虫にはこう書かれてあった。
何度日が昇り。
「東!」
月が沈んでも。
「西!」
不動の星のように。
「北!」
未来永劫、幸いの風あらんことを。
その時、ミミックが元に戻って再びチルチャックに迫ってきた。
「わーーー! 南、南!」
そしてチルチャックは、最後のスイッチを押した。すると鉄格子が開いた。
「ひいいいい!!」
チルチャックは、出口目指して走った。
その後ろをミミックが追う。
チルチャックは、仕掛けのタイルの上を跳び、出口を超え
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