第十一話 絵に描いた餅
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ァリンの様子にマルシル達は顔を見合わせた。
そして、宴会を行っていると思われる絵を選び、再び飛び込んだのだった。
***
今度は、机の上に落ちた。
「この馬鹿酔っ払い!」
途端、箒で頭を叩かれた。
「王の御前でなんて真似を! さっさと降りるんだよ!」
怒鳴られ、ファリンは慌てて机の上から降りた。
「よいよい。」
すると、マントを身につけた男性…いや、前の絵とは違う男性がやってきて声をかけてきた。
「今日は私の結婚式。多少羽目を外すのは許してやってくれ。」
「しかし、デルガル様。」
その名前を聞いてファリンは、アッと気づいた。
さっきの絵の赤ん坊の名前だ。
その赤ん坊が成長した姿なのだろう。
っということは、ここは、過去の迷宮…、黄金城の映像なのだろうか?
ファリンは、解放され、突き飛ばされた。
「デルガル!」
横を通り過ぎる間際に、デルガルと同じ種類のマントを身にまとった老人がいた。
「父上!」
ファリンは、振り返らず少し立ち止まった。
父上と言うことは、老人の正体は、先ほどの絵の中にいたあの赤ん坊のデルガルを抱いていたひげの男性だろう。
「おまえが立派に育って、わしは嬉しい。」
「誰か、私にも酒を。」
「ああ、いかんいかん。そんな安酒よりもこっちを飲め。」
「この国の未来に…。」
そう言って笑い合い、乾杯をする親子。
ファリンは、料理を見つけ、さっそくと、手を伸ばした。
だがその直後…。
悲鳴が上がった。
見ると、デルガルの父親が吐血していた。
どうやら酒に毒が仕込まれていたらしい。
宴会場はたちまち大騒ぎとなり……、また食べられる雰囲気じゃなくなった。
その時、ファリンの横を、あの褐色の肌のエルフが通り過ぎていった。
ファリンは、そのエルフを目で追った。
エルフの子供は倒れてしまったデルガルの父親の傍に膝をついていた。
「あのエルフ…、さっきの絵に…。」
ファリンは、片っ端からパンや果物を抱えながらそのエルフを見ていた。
その時、ロープが引っ張られた。
そして絵の中から帰還した。
「見て! 今回は料理を持ってき…、あれ?」
「何もないじゃないか。」
「そんな…、じゃあ絵の中でないと食べられないのかな? もう、こうなったら是が非でも食べないと!」
「ファリン…。」
そしてファリンは、別の絵を選んだ。
今度のも料理が並んでいる。
その絵に飛び込んだ。
***
今度の絵では、うまいこと椅子の上に落ちて座ることになった。そして目の前には
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