第七話 ゴレーム畑の野菜
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こんな大きさでいいの?」
ファリンが包丁でキャベツを四つに切った。
「いい、いい。」
センシが切った野菜、四つ切りのキャベツ、皮を剥いて輪切りしたニンジン、皮を剥いて乱切りにしたジャガイモを大鍋に入れ、カマドに乗せて、バケツで水を汲み、流し込む。
そしてかまどに火を付けるのだが…。
「火を付ける? 私、やるよ?」
「火打ち金でつけるからいい。」
「いつもそうやってつけるけど、魔法の方が早いのに。そんな魔法を嫌わなくても。ゴーレムは便利だって喜んでたじゃん。」
「何かを手軽に済ませると、何かが鈍る。便利と安易は違う。お前のやり方では、店で野菜を買うのと変わらん。」
「……。」
そしてセンシは、火打ち金で火を起こし、鍋に蓋をした。
その間に、まな板でバジリスクのベーコンを切り、鍋に入れた。
鍋が煮えるまでの間に、カブでサラダを作る。
その手際の良さと言ったらすごいに尽きる。
やがて鍋が煮え、味見をした。
「完成じゃ!」
そしてできあがったのは、ゴーレム畑の野菜のキャベツ煮と、カブとニンジンのサラダだった。
大鍋から取り皿に分けられた料理に、マルシルはテンションを上げていた。なにせ久しぶりの普通の野菜だからだ。魔物を食べるのに抵抗している彼女からしたら天国だろう。
「んーーーっ! おいしいー!」
たまらず声を上げるほど美味しかったらしい。
「こんな地中で美味しく育つなんて不思議。」
「ゴーレムの何かが味に影響しているのかも。」
「やめて! 歩こうが喚こうが、あれは、畑なのっ。」
「そういえば、ゴーレムの残り1%ってなんだっけ?」
「……秘密…。」
マルシルは、がんとして話さなかった。
またファリン自身も忘れてたため、ゴーレムの残り1%問題は謎のままになった。
美味しい美味しいというファリン達に、センシは嬉しそうに笑っていた。
そして大鍋にあった野菜煮がスープまですべてなくなった。
「はー、美味しかった。お腹いっぱい。」
「いっぱい食べたら眠くなってきた。」
「休んでいてもいい。わしは少しやっておきたいことがある。」
センシは、そう言うと拠点のテントの中からバケツを取りだした。
「ちと、便所へ。」
そう言って、扉の向こうへ行った。
「この辺りのトイレってすごくちゃんとしてるよね。適当に穴を掘っただけじゃなくて。いつも綺麗にしてあって、たまに花なんか飾ってあったりして、マメな人がいるもんだね。」
そこまで言って、マルシルは、何かに気づいた。
「センシーー!!」
叫びながら扉の向こうに行くと…。
「なんだ?」
「わーーー!」
二つのバケツに、肥…、直接言ってしま
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