第六話 動く鎧のフルコース
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止めた。
センシは、軟体生物を薄切りし、薬草を煮込んでいる小鍋に入れてスープにした。
次に、フライパンに油と具材として薬草を炒め、調味料と動く鎧の軟体部分を薄切りにしたモノを炒め合わせる。
続いて、兜…頭はそのままお湯を沸かした鍋の上に乗せて蒸す。
最後に、定番として、殻に乗せたままの動く鎧の軟体部分を網に乗せて火で焼いた。ジュージューと焼けていき、身が縮んだ。
「できたぞ!」
そうしてできあがったのが、動く鎧のフルコース。
動く鎧の炒め物。
動く鎧のスープ。
動く鎧の蒸し焼き。
焼き動く鎧。
中々に、豪華な内容となった。
「ほれ。」
「あっつ!」
センシは、焼き動く鎧を、ファリンに渡した。
「アチチ…。あれ? みんなどうしたの?」
なんだか全員の視線がこちらに向けられていることに気づいたファリンが首を傾げた。
「動く鎧を食べるのは、ファリンとライオスの悲願なんだろ?」
「わしらが先に口をしてはな…。」
「えへへ。それじゃあ、言葉に甘えて…。」
「マルシル。蘇生の準備しておけ。」
「…うん。」
そんなことをヒソヒソと話し合うマルシル達を尻目に、ファリンが焼き動く鎧をフォークですくい取って実食した。
「うっ!」
死んだか!?っとマルシル達が身構えた。
「美味しい!」
ファリンが笑顔で声を上げた。
「うわ〜、なんだろこれ、すごく美味しい!」
「食中毒の症状って、どのくらいで出るの?」
「モノによる。」
「最初は味が無いかと思ったけど…、遅れてくる! 味が!」
呆然とするマルシル立ちだったが、それを聞いた、センシが焼き動く鎧を口にした。
「こんなものか。悪くはないが、もっとうまく調理できたな。」
「薬草と炒めたやつなら大丈夫じゃないか? 腹減った。」
「毒消しって食中毒に効くの?」
「ん。なるほど。」
「ど、どう?」
「なんかねっとりしてる。不味くはないけど。」
チルチャックの言葉を聞き、そして腹の虫が鳴ったマルシルは、意を決してスープを飲んだ。
「…なんか、キノコに似てる?」
「でしょ?」
「蒸し焼きもうまいことできたな。」
「絶対美味しいよ。……。」
「どうした?」
「カビ臭い。」
「兜の匂いを閉じ込めてしまったか。」
期待を持って食べた動く鎧の蒸し焼きは、カビの匂いがしてあまり良くなかった。
***
食後。
「これ…、兄さんのために持って行こう。」
「荷物が増えるぞ?」
「でも、武器が無いまま元来た道を戻るのは大変だよ? あのとき、兄さん剣を落としてたと思う。」
「そう
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