第五話 大コウモリの唐揚げと、マンドレイクのかき揚げ
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センシの言い分に、チルチャックはそう呟いた。
***
そして、チルチャックは仕方なく罠を使って大コウモリの切断作業をした。
荷物を背負ってタイルを踏み、刃を落として大コウモリの身体を切断。
そしてタイルから足を放して刃を戻し、荷物を降ろして大コウモリの身体の角度を変え、上の刃を確認してから再び荷物を背負ってタイルを踏み、再び刃を落として別の角度から大コウモリの身体を切断する。
そうして何等分からに切り分けた大コウモリを、ファリンと一緒にセンシのもとへ持って行った。
「大コウモリ切ったけど…。」
「おお、いい具合に切れたな。次はこの油を先ほどの火罠で熱してくれ。」
そう言って油の入った大鍋をチルチャックに渡した。
「……。」
「どうした? 早くせんか。」
プルプルと震えているチルチャックを、センシが急かした。
チルチャックが、火罠を使いに行く間に、切り分けた大コウモリの調理が始まった。
大コウモリの身についている分厚い皮を厚めに剥ぎ、ぶつ切りにする。
軽く切れ込みを入れ、調味料を揉み込んで、少し寝かせる。
寝かせている間にマンドレイクのかき揚げの準備に移った。
「可食部、少なっ。」
大コウモリは、その大きさと見た目に反して肉の部分が少なかった。
「綺麗な骨…。」
ファリンが、うっとりと大コウモリの肋骨の骨を触っていた。
「ほら見てマルシル。驚くほど軽いのに、頑丈だよ。これ、兄さんのお土産にしたいなぁ。それで家に飾ってあげたら、喜んでくれるかな?」
「…早く捨ててきなさい。」
余計な荷物を増やそうとするファリンを、マルシルが止めた。
センシは、マンドレイクの皮を剥くためにマンドレイクの手足の部分をもいでいった。
胴体部分は、しっかりと、そして足の部分は色の濃い部分を軽くこそぐ程度に皮を剥く。
胴体部分と足は千切りし、頭の部分と頭の頭頂部の葉と茎の部分はざく切りにする。
次に、バジリスクの卵を水に溶き、混ぜ合わせ、そこに小麦粉をふるい入れる。
ダマにならないようにさっくりと混ぜ合わせ、そこに先ほど切ったマンドレイクを加えていく。
「火の加減はどうだ?」
「どうも何も……。罠の火力調整なんて初めてだよ、クソッ。」
チルチャックは、火罠が発動するタイルを外してその中にある仕掛けをいじっていた。
「全然分からん…。こんなもんか…?」
そして火が噴き、チルチャックの計算で絶妙な場所に置かれた鍋の下に火が行った。
そしてセンシが衣をまとわせたマンドレイクの入ったボウルを持ってやってきた。
箸で衣を落とし、火加減を見る。
「うーむ。ちょうどいい火力ではないか。
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