第四話 マンドレイクのオムレツ
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る。
次にそれをボウルに移し、バジリスクの卵を混ぜ合わせるのだが…。
「この卵。白身が無い。」
バジリスクの卵は、黄身のみだった。割るときも、叩いて割るのではなく、引っ張って引き裂くという感じだ。
それを熱したフライパンに流し入れ、ふっくらと焼けば…。
「完成じゃ!」
「鶏卵よりだいぶ黄色が濃いな…。」
「黄色というより赤いね。」
できあがったマンドレイクのオムレツを見て、チルチャックとファリンが見た目の感想を言った。
「こっちが我々の採ったマンドレイク。こっちはエルフの娘が採ったマンドレイクを使用した。」
「追い打ちなんて悪趣味〜。」
「まあまあ。とりあえず、食べようよ。」
そして実食。
すると。
「ん? こっちの方が渋みがなくてまろやかな味してる。」
「ホントだ!」
「おそらく叫ばせることで何かアクが抜けるのだろう。」
味は、マルシルが採った叫ばせたマンドレイクの方が美味しいのだ。
「一手間かけることで味が良くなるのは、料理の基本。どうやら、わしは効率ばかり求め本質を見失っていたらしい。礼を言う、マルシル。お前の知識と本は素晴らしい。」
「料理本じゃないから、これ!! そういうの証明したかったわけでもないし、私はただ……。」
「あ、旨いわこれ。」
「歯ごたえがいいね。」
「聞けよ!」
「これは、ささやかな礼だ…。」
センシは、オムレツを差し出しそこに……。
「一番栄養豊富で、美味しいところを食べなさい。」
マンドレイクの頭をいくつも添えたのだった…。
「いらんわーーー! もう魔物食べるのはこりっごり!!」
マルシルは、叫びながら泣いた。
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