第四話 マンドレイクのオムレツ
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、マルシルが何をしたのか理解した。
「マルシル? 聞こえてる?」
「……はい…、わたくしは、たいへんけんこうです…。」
「いや、ダメだろ。」
マルシルの目は焦点が合ってなかった。声も棒読みだ。
「悲鳴を聞いたんだね。話しかけ続けよう。だんだんとはっきりしてくるはずだよ。どうして、こんなことしたの?」
「あしでまといといわれたことにあせりをかんじ。」
「あ、ごめ……。」
「こいつらをみかえし、どげざさせたいとおもいこうどうしました。」
「なんだ、こいつ。」
「チルチャック!」
「みなさんのために、なにもちからになれないのはさびしいです。」
その言葉に、ファリンとチルチャックは顔を見合わせた。
「マルシル…。あのね。迷宮は深く潜るほど魔物が強くなる。一番の頼りは、マルシルの魔法なんだよ。だからこんな浅い階層で疲れさせるのは避けたかったの。人には得意不得意があるわ。マルシルが得意なところは頼りたいし。そうでにあところは他の人が解決するから…。もっと頼ってくれていいんだよ。ね、チルチャック。」
「……マルシルがついてきてくれて本当に助かったと思ってるよ。」
「もっと感情こめて言って…。」
「正気に戻ってんじゃねーか!」
ちなみに、センシは、大コウモリの血抜きをしていた。
***
「大コウモリまで手に入るとは。思わぬ収穫だ。」
大コウモリが一匹と、首のあるマンドレイクが一つ、あと首の無いマンドレイクと、切り落とされたマンドレイクの頭がたくさん。
「今日はオムレツでも作るか。」
「オムレツ! すごい普通の料理っぽ…。」
しかしマルシルは、バジリスクの卵を見て閉口した。
そして指でつつく。プニッとした感触が伝わってくる。
「これ、本当にバジリスクの卵なの? 鶏の卵と全然違うけど…。」
「蛇の卵はこんなんじゃなかった?」
「蛇なのはしっぽだけでしょ? 身体と頭は鶏じゃん。」
「それがね……。尻尾が鶏なんだって。」
「!?」
「昔は蛇が尾っぽだと思われたけど、最近の研究じゃ…、中間で切断すると鶏の方が死んで、蛇は生き残るって結果があるって、兄さんが言ってた。」
「今…、一番知りたくなかった…。」
そうこうしている間にもセンシは調理をしていた。
「む?」
「なに?」
「この一本だけ色合いが違う。」
「本当だ。頭が残ってるからマルシルが採ったやつだ。」
「ふむ? ふむふむふむ。」
センシは、頭のあるマンドレイクと、頭の無いマンドレイクを、それぞれ刻み、別々にして調理を始めた。
まず皮を剥き、みじん切りにする。
ベーコンを炒めて油を出し、刻んだマンドレイクをよく炒め
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