第十二話 苦闘の中でその十二
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「それでもな」
「わし等を送って」
「そのうえで援軍とする」
「そうするんだね」
「お主達何があってもじゃ」
飛騨者達に強い声で言うのだった。
「竹千代を守ってくれ」
「武田家との戦になれば」
「その時は」
「徳川殿を」
「あ奴は前にも言ったが時として無茶をする」
家康のそうしたことを心配して言うのだった。
「そしてその無茶がな」
「武田家相手なら」
「下手をすれば命取り」
「そうなるからこそ」
「お主達を送る、しかも武田には真田家の次男と十勇士がおる」
真田幸村と十勇士達がというのだ。
「天下無双の猛者達がな」
「真田源次郎殿だね」
萌が言ってきた。
「真田家の次男さんっていうと」
「そうじゃ、二本の槍を使いじゃ」
信長は萌にも話した。
「忍術も使う」
「そうしてだね」
「まさに天下無双の強さじゃ」
それが幸村だというのだ。
「そして十勇士達もじゃ」
「強いんだね」
「一騎当千じゃ」
信長は萌に答えた。
「まさにな」
「その十勇士も出て来るから」
「そもそも武田には二十四将がおる」
このことをだ、信長は飛騨者達に話した。
「どの者も優れた者達じゃ」
「そしてですね」
からくりがここで言ってきた。
「信玄公ときたら」
「政もよいがのう」
「軍略もっていうんですね」
「その軍略の恐ろしさはわしとてじゃ」
信長は自分の資質からも話した。
「数が同じだとな」
「勝てないと」
「そうなる」
そうした相手だというのだ。
「そして上杉家もな」
「謙信公もですね」
「そうじゃ、だからじゃ」
それ故にというのだ。
「並の相手ではない、そしてそこにじゃ」
「源次郎殿に十勇士もいるので」
「お主達に行ってもらう」
織田家の忍達の中でもとりわけ強い彼等にというのだ。
「軍勢の援軍が無理だからのう」
「若しもだよ」
毬が信長に問うた。
「軍勢の援軍だったらどれだけ必要なのかな」
「武田の軍勢を退けるつもりなら十五万じゃ」
「殿が今用意している軍勢だね」
「そうじゃ」
まさにというのだ。
「一万や二万ではな」
「焼け石に水だね」
「二十四将軍に真田の者達がおるのじゃ」
「一万や二万だと」
「武田の軍勢は五万は来るであろう」
信玄が二十四将それに真田の者達を連れて向かって来る彼等はというのだ。
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