第三話 ローストバジリスク
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前と後ろから襲いかかった。
バジリスクは、前と後ろに鶏と蛇とで顔があるため一見すると死角が無いように見えるが、身体は一つ。
違う方向からの同時攻撃に気を引けば、二つの脳がにより一瞬体が混乱するのである。
そしてセンシの斧が蛇を切断し、ファリンの切断魔法が鶏の首を切り裂いた。
バジリスクは、二つの頭をやられて絶命した。
ファリンは、杖を降ろし、木の根元で剣士の男を介抱している魔法使いの女性に近寄った。
「だいじょうですか?」
「あ……、ありがとうございます。」
「毒をもらったんですか?」
「は、はい…。」
「私が解毒します。背中を見せてください。」
ファリンは、片膝をつき、毒をくらった男の背中に呪文を唱え、解毒した。その次に回復の魔法を使い傷を癒やした。
「具合は?」
「はい、もう大丈夫です…。このご恩は…。」
「お礼はいいですよ。」
「本当にありがとうございます。」
二人は頭を下げ、去って行った。
「ねえ、ファリン。今こんなことを言うのもなんだけど、毒消し草をセンシが持ってたみたいよ。」
「えっ?」
「まだまだ深く潜らなきゃいけないから、無駄に魔力を消費しないようにしないといけないわ。」
「うん…。ごめんね。」
「でも、他人を気遣う余裕は持とうね。忘れちゃだめよ。」
「うん。」
二人は、そう会話をし、バジリスクの血抜き処理をしているセンシのところへ行った。
それから、バジリスクの調理が始まった。
まず、尾と足を切断。
軽くバジリスクの体を湯がいて羽をむしる。
大きいので全員でむしった。
むしり終えると、そこには見事な大きな鶏肉(?)ができあがった。
そして内臓を取り、香辛料を肉にすり込んでいく。
そしてしばらく寝かせるのだが、センシが一晩ほどと言い出したので、昼食に合わせて短時間にした。
その間に、腹に詰めるための野菜と香草を用意するのだが……。
薬草。(外傷に効く)
いい薬草。(外傷にすごく効く)
魔力草。(魔力を蓄えている)
石化消し草。(石化を治す)
毒消し草。(解毒効果がある)
火傷草。(火傷に効く)
麻痺消し草。(麻痺を治す)
どれもこれも、冒険するにおいて必需品となる薬草ばかりだった。
「体に良い料理になりそう…。」
「素朴な疑問なんだが……。」
チルチャックが言った。
「塗り薬を飲んだら、どうなる?」
「さあ?」
効果はさておき、調理は進んだ。
刻んだ香草(薬草)をバジリスクの腹に詰めていき、切り口を糸で縛って閉じる。
別に取り分けた肉の部分と卵の一部は燻製にしょうとセンシが言い出した。あと、
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