06.そうだ、刑務所に逝こう。
第27話
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「あったぁ……」ボケたような声だったが。
「何があったの?」
「キュラルさんとグレースにしか無かった、可笑しな色の糸です! きっと、此れを切れば………」
糸が見えたら、念じるだけで切ることは出来るのだが………切れないようだ。赤い糸同様に。
「お願い、切れて………」………何故聖月さんはこんなにも焦っているのだろうか。「こ、琴葉さん、何でそんなに落ち着いてるんですか!? もう、後三十分も持たないって、輝さんが言っていたじゃ無いですか!!」
聞いてない。ナニソレ。
「能力で、三十分後の未来を視たらしいんです……そしたら、既に琴葉さんは死んでて………」
「首領、失礼します! 御客人の命はもう数分と、七星上級構成員が………」
マジか。
「………あれ、初めて」ぽつりと呟く。其れに反応して、聖月さんとフランさんが此方を向く。そして、息を呑む。
「死が怖い……のかな?」
涙が溢れ、引き攣った笑みが零れる。
「早く、早くしないと………!!」
「琴葉、未だ待って、もう少し……!!」
あれ、死ぬ時って、大体分かるんだけど、全然死ぬ感じが為ない。
本当に死ぬからなのかな?
折角、ラルに怒られずに済んだのになぁ。
折角、又此処に来られたになぁ。
折角、フランさんに気持ちを伝えられたのになぁ。
「…………貸して!」
横からそんな声。其の声にぼーっとしていた意識を取り戻し、声を為た方を向く。
其処には荒い呼吸を繰り返すラルとグレースが。
「……はい、切れたよ」
「全く、矢っ張り迷惑な首領ですよね、貴女」
…………え?
「ラル君に、主がもう一寸で死にそうって言われたから……必死に糸の能力結晶を探して来たんだよ?
ラル君もラル君で、七星弟君の能力出力調整をしたり、此の糸を見付けたりして、頑張ってたんだからね? あのラル君が」
「馬鹿に為てるんだったら殴りますよ?」
あ……………………
「二人が同じ立場なの、すっかり忘れてたわ」
「「阿呆か」」
◇ ◆ ◇
「……此れで、本当に終わったのだろうか?」
「僕が知ってるわけ無いじゃん。でも、二十四時間を過ぎると勝手に死ぬらしいけど」
「其れが回避できてれば良いですね。それで目出度し目出度しです」
「………私のお姫様を救ってくれたのは嬉しいんだけどぉ? ……何でそんな琴葉にくっついてるの?」
「はぁ? 主は僕のだし」
「私は逆ハーは漫画だけで良いんだけど」
「「知るか」」
「えー………」
嗚呼、する事が無い。
「寝て起きて、しっかり明日
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