第三章
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「自分の作品にそこまで思うあんたをね」
「そうなんだ」
「それで喜んでるわよ、それで天国でもね」
今いるその世界でもというのだ。
「書いて飛んでるんじゃない?」
「そうしてるかな」
「あちらでもね、それで幸せに過ごしてるんじゃないかしら」
生きていた時の様にそうしてというのだ。
「それであんたやあんたみたいに自分の作品にそこまで想っている人を見て」
「だといいね」
「きっとそうよ、だからあんたはこう思えばいいのよ」
笑みを浮かべてだ、女子部員は琉星に話した。
「星の王子様を世に送り出して有り難う、そして天国でもね」
「書いて飛んで」
「そうして下さいってね」
「死んだことを悲しむんじゃなくて」
「そうよ、それに大好きな空と飛行機の中で死ねたんだから」
このこともあってというのだ。
「本望だったと思うし。だったらね」
「天国でも幸せに」
「そう思えばいいのよ」
「そうなんだね、じゃあ」
琉星は女子部員の言葉に頷いた、そしてだった。
それまで悲しい顔だったのを変えてだ、笑顔になって。
オルゴールを出してかけた、そのうえで言うのだった。
「これからはオルゴールの曲を聴きながらね」
「あんたオルゴールも好きだしね」
それから出される音楽をというのだ。
「そのプラモデル観るのね」
「そうするよ、あの人は天国でもこの飛行機に乗って」
「飛び続けてるわね」
「そして降りたら今度は書いているんだ」
「そうしてるわね」
「星の王子様にも会ってお話をして」
作品の彼と、というのだ。
「星と星の間も旅していて」
「あんたみたいに自分の作品を愛している人を見てね」
「笑顔でいるね」
「絶対にそうよ」
「そうだね、あの人は今凄く幸せだね」
「天国でね」
「そう思うと悲しく思う必要はないし」
それでとだ、彼は気付いて言った。
「プラモを観てもね」
「笑顔になれるわね」
「うん、あの人が天国でも乗っているからね」
それならとだ、笑顔になってだった。
琉星は笑顔でオルゴールの音楽を聴いてプラモを前にして次の脚本を書きはじめた。女子部員はその彼に頑張ってね、と笑顔で言った。そして以後彼がそのプラモデルを観て悲しい気持ちになることはなくなった。天国でもと思い笑顔になる様になった。
星のパイロット 完
2018・9・28
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