06.そうだ、刑務所に逝こう。
第26話
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
そうで恐ろしいのが半分。
此処で下手なことを言ったら、最悪死ぬ。
まあ言うけど。どうせ死ぬんだし。
「私、未だ生きていたいって言ったら、許してくれる?」
驚いたように目を見開き、此方を見るラル。構成員達は突入してこない。挟み撃ちは回避と。
「………………………………許し、ま……すけど?」
擦れた声で言うラル。………そんなに意外かな?
「貴女……此れから二十四時間以内に死ぬんですよ………? 僕が喋っている、今此の瞬間かも知れませんし…………」
「死ぬまでに、生きる方法を考える。そうすれば、此れからもずっと、ラルとグレースとも一緒に居られるよね」
…………我ながら、恐ろしい言葉である。言葉のチョイスが可笑しいよね。
予想通り、ラルは顔を真っ赤に染めている。
「別にっ、君を照れさせる気は無かったんだけどねぇ。ふふふ、面白いやつ」
私は明るい表情で執務室の扉を開ける。すると、途轍もない真顔で涙が待っていて、真顔を返したくなるが、敢えて無視。扉を閉めて、執務室から少し離れてから。
「………………くそっ」
廊下の壁に強く拳を打ち付け、額を付ける。
先程、生きたい宣言を為てから骨がキリキリと痛み出した。頭痛が為て、目眩が襲ってくる。大型トラックに轢かれたような衝撃が、四方八方から襲ってくる。
「何だよっ………死ななきゃいけない使命とか…………」
私は小さく呟き、再度廊下を歩き始めた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ