第二章
第26話 神からの祈り
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それが現在の自分のレベルだ。
***
子供たちと一緒に、城の浴場に行き。
そして夕食は国王にお呼ばれし、みんなで食べた。
あとは、寝るだけとなった。
今日寝るところはベッドではない。
町長の手紙によって城側が準備してくれた、大きなマットだ。
おおかた、「みんな一緒に寝たいそうなので」などと書かれていたのだろう。
「最初に言っておく。俺は睡眠不足だ。寝るからな。そのへん宜しく頼むぞ」
眠気に耐えて今日一日を乗り切った俺の、必死の懇願である。
「みんな、寝るときの位置は年齢順に決めるってことでいいかしら!」
「んー、じゃあオレは兄ちゃんの右腕をもらおうかな」
「私は右足にするわ!」
「自分は左足にするよ」
「僕は頭にしようかな」
「ボクは左腕にするね……」
「じゃあわたしは股の間ね」
……話は通じているのだろうか。
まあでも、こうやって寄ってくるうちが花なのだろうな……と思う部分は、確かにある。
俺もクロも、この時代にはいないはずの存在だ。
それがここまで孤独感なしにやってこられたのは、この子たちのおかげが大きい。
ありがたく思う。
……。
……いや、ちょっと待った。
「カナ、もちろん冗談だよな?」
「え? 冗談じゃないけれど。そこしか空いてないわよ?」
「そ、そうか……。あの、くれぐれも上にあがってきたり、うつ伏せになったりしないようにな。俺の時代だとそういうのはこっちが犯罪になるからな」
「どうして?」
「わからなければいいです……」
「よくわからないけど大丈夫よ? 寝相はいいほうだから」
朝方になって事件になっても知らんぞ。
「じゃあリク、手足を広げて寝てみて!」
「こんな感じ?」
「そうそう、そんな感じね! じゃあみんなポジションに着いて」
「へへへ、久しぶりに兄ちゃんと寝るな」
一気に手足が拘束される感覚。
カイルは誤解されるようなことを言わないでほしいが、もう面倒なので突っ込まない。
「うー、なんか縛られているみたいだぞ」
「文句言わないの!」
「あ、クロさんも呼んでいい?」
「いいわね!」
また俺の返事を待たぬうちに、入口横にいたクロがジメイに促され、こちらにやってきた。
「……いいのか? リク」
「あー。もう好きにしてください」
クロは俺の左足の足元に寝転んだ。
ずいぶん控えめだ。
そういえば、俺の両親がたまにクロと寝ていたが、クロは必ず足元にいた気がする。
頭のほうに来ないよう、躾をされていたのだと思う。
それを今も守っているのだ。
……うーん。拘束がきつい。
寝返りも打てないと思うので、
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