第二章
第26話 神からの祈り
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らの罰とする――
そう考えたほうが楽だったからだ。
だから、神など存在しない。ジメイの自称神託もジョークの域を出ない。
そう思っていたのだが……。
「神託は本当にあるのか」
「うん。いつも言ってるとおり。神託はあるよ」
「ジメイの神託は外れたの見たことないわね」
「……。じゃあ、神も存在すると?」
「うん」
……。
「神が存在するなら、なんで俺は今ここにいるんだろう。なんで俺をすぐに元の国に戻してくれないんだろう」
「それを聞く相手は、僕じゃないかも?」
「まあ、そうだよな……」
本当に存在するなら、今すぐ助けてほしい。ホントに。
心から、そう思う。
「そうだ。俺が町を出てから、俺に関係しそうな神託ってあったのか?」
「神社には毎日行ってるけど、今のところはないよ」
「そうか……」
「リク兄さん。気になるなら、もう一度神社に行ってみたら?」
う……。
それは、また気絶するのではないだろうか?
「リク」
「クロか。なんだ?」
「この人間は神社に行くように言っているのか?」
「ああ、そうだよ」
「私もその意見に賛成だ」
珍しく、クロが意見を出してきた。
前も似たようなシーンがあったような気がする。
首都に来るときの馬車の中だったかな? 確か。
「なんでだ?」
「前に行ったときに、少しだけだが、何者かの言葉が聞こえた」
「え! なんでその時に言わなかったんだ」
「すまない。少しだけだったので、気のせいかと思っていた」
少しだけ……?
あ、俺のせいか。
「あ、ごめん。それ俺が原因だったか。クロが霊獣像をじーっと見ていたときだよな? 俺が失神して大騒ぎになったせいだな」
どうやら、神社には近いうちにもう一度行ったほうがよさそうだ。
気は進まないけど、仕方ない。
***
部屋に戻った俺は、首都に着いてから今までの出来事と、調査の進捗状況を、子供たちに報告した。
そして、自分はこの世界の他の国からではなく、どうやら過去の日本からワープしてきたであろうことがわかった、ということも話した。
意外と、反応は普通だった。
レンなどは「やっぱりそうだったんだ」とさえ言っていた。
タイムワープというのは、この時代でも当然常識外のはずだ。
気持ち悪がられて避けられることになったらどうしよう? という思いもあったが、どうやら杞憂に終わったようだ。
子供たちがわらわらと寄ってくるのは、時に鬱陶しいと思うことすらある。
しかし、子供たちのほうから拒絶されるのは……どうだろう。
おそらく耐えられないのではないか?
どうしようもないくらい自分勝手だが、
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