第三章
[8]前話
「今からね」
「召し上がってくれますね」
「そしてマツもだね」
「頂きます」
「そうか、じゃあ」
「一緒に食べましょう」
こう話してだ、そしてだった。
兄はマツと共にその餅とコーヒーを口にした、まずは餅を食べてそれからコーヒーを口に含んだが。
一口ずつ食べてだ、妹に言った。
「確かに」
「美味しいですね」
「意外と以上に。まずは」
兄はさらに話した。
「お餅だけれど」
「如何だったでしょうか」
「不思議な柔らかさだね」
「欧州、フランスにもですね」
「ちょっとない感じで」
そうした柔らかさだというのだ。
「口触りが不思議でこの粉の甘さが」
「きな粉のですね」
「あっているね。餅自体はあっさりしているけれど」
そうであってもというのだ。
「きな粉の甘さがあって」
「それで甘くて」
「それでね」
餅の柔らかさ、きな粉の甘さがあってというのだ。
「いいね」
「そうですか」
「そう、そしてね」
兄は言葉を続けた。
「コーヒーとね」
「合いますね」
「日本のお椀に入っていても」
それでもというのだ。
「コーヒーはコーヒーでね」
「そうですね」
「しかもこのお餅と合う」
「日本のお菓子ですが」
「うん、それでもね」
甘いがというのだ。
「合うね」
「全く合わない様に見えて」
それでもというのだ。
「実はです」
「合う」
「日本のものと欧州の違いがあっても」
それでもというのだ。
「合うのです」
「それでだね」
「私も好きです」
「どうして好きかわかったよ」
「左様ですね、では」
「また日本に来る時があったら」
兄は微笑んで妹に応えた。
「この組み合わせを楽しむよ」
「コーヒーとお餅を」
「絶対にね、こんな美味しい組み合わせはないから」
それ故にというのだ。
「是非ね」
「そうされて下さい」
マツも餅とコーヒーを口にして楽しんだ、そうしつつだった。
彼女は兄と共に店を出てそれから彼女が案内できる範囲で日本の観光名所を案内していった、そのうえで兄との再会を誓って別れた。その次の日また餅とコーヒーを楽しんだ。
和洋の折衷 完
2018・9・26
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