第三章
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「そしてだ」
「そしてですか」
「そうだ、君はさらにだ」
魔法博士になったがというのだ。
「進んでいけるのだ」
「魔法博士から先に」
「それが出来る筈だ」
「そうでしょうか」
「君なら出来る、私も十年でなれるとは思っていなかったが」
それでもと言うのだった。
「実際になった、ならだ」
「それならですか」
「さらに前に進める筈だ、人生はその命が続くまでだ」
それまで終わりではないというのだ。
「だからだ」
「私はこれからもですね」
「学んでいくか、これまでは既存の学問だったが」
「それをですか」
「さらに進めていけるか」
「私なら出来ると思うことですね」
「そうだ、出来ると思えずとも」
それでもと言うのだった。
「やってみる、まずはな」
「そのことが大事なのですね」
「出来なくてもいい」
出来たルティアにこうも言った。
「しかしだ」
「やったみることですね」
「はじめることだ、いいな」
「何でもですね」
「何もしないで後悔したいか」
「それは」
そう言われるとだ、ルティアもだった。
「やはり」
「やってみてだな」
「そうしたいです」
「そういうものだ、だからだ」
「私もですね」
「やってみた、はじめてみたからだ」
そうしたからこそというのだ。
「魔法博士になれたのだ、むしろだ」
「魔法博士になることについてですね」
「どれだけの者が最初から無理と思って諦めたか」
「まずはやってみることなのですね」
「そうだ、教授が教えることは学問だけではない」
自身が学んだことを伝える、それだけではないというのだ。
「人生のことも教えないとならない、そしてな」
「やってみることはですね」
「そのうちの重要な一つだ、そして」
「そしてですか」
「君はやった、だから魔法博士になれてだ」
そのうえでというのだ。
「さらに進める、やってみればな」
「では」
「これからも頼めるか」
「やらせてもらいます」
ルティアは確かな声で頷いた、そうしてだった。
魔法博士になったその後も学び続けやがて魔法の進歩に大きな貢献をして歴史に名を残した。引っ込み思案で気弱だったがその彼女もやってみた、はじめてみた。そのことにより大きなことを為せたと歴史書には書かれている。
修士の後は 完
2018・9・26
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