第一章
[2]次話
修士の後は
ルティア=カル=クロムウェルは魔法学校の主席である、そしてこの度遂に修士課程を修了し論文も絶賛されたうえで。
修士となった、ここで彼女に修士課程を担当した教授が言った。
「さて、君のこれからだが」
「これからですか」
「一体どうするのかね」
自分の前に立つルティアに問うた。
「修士となったが」
「将来ですか」
「もう教壇に立てるしだ」
それにとだ、教授はさらに話した。
「現場に出てもだ」
「よいのですね」
「それも出来るが」
魔法の知識を使って軍に入ることも出来る、教授はこのことも話したのだ。
「どうするかね」
「私は」
ルティアは教授に自信がなさそうな顔で答えた。
「軍隊は」
「好きでないか」
「無理です」
こう答えるのだった。
「軍隊なんて」
「そうか、では他の道になるが」
教授はルティアのその人柄からだ、こう言った。
「学問の道に行くか」
「修士以上にですね」
「そうだ、より学んでだ」
そのうえでというのだ。
「生きていくか」
「学者として」
「君は魔法のことなら何でも知っている」
そこまでの者だというのだ。
「白魔術、黒魔術、錬金術、仙術、陰陽術、召喚術とな」
「だからですか」
「その知識と解釈、実践も見事だ」
全てにおいて隙がないというのだ。
「だからだ」
「それで、ですか」
「どうだろう、教壇に立ってだ」
そのうえでというのだ。
「そうしつつ博士課程に進み」
「博士にですか」
「なってはどうか、しかも」
教授はさらに言った。
「先に挙げた六つの術全ての博士号を得たな」
「魔法博士にですね」
「なってみるか」
「魔法博士ですか」
「どうだろうか」
「あの、それは」
六つの術の博士号を全て得た魔法博士、それになることはとだ。ルティアは驚きを隠せない顔で教授に答えた。
「幾ら何でも」
「自信がないか」
「魔法博士になれた人はこれまで」
「この国いや大陸の歴史でもな」
「五人といません」
このことを言うのだった。
「それになるとは」
「だから目指してだ」
「そうすることですか」
「そうしてはどうか」
教授は驚き怯えさえ見せているルティアに謙虚な声で言った。
「君は」
「これからですか」
「そうだ、どうだろうか」
「教壇に立ち博士号を目指すことは」
このことはと言うのだった、ルティアも。
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