第二章
[8]前話
別の日本人の宇宙飛行士が彼女にこんな言葉を教えた、その言葉はというと。
「違います、はなのね」
「ちゃうねん、ってなるねん」
若い女性の宇宙飛行士だった、その生まれは大阪だったのだ。
「そうなるねん」
「そうなる、はよね」
「そう、そうなるねんになるねん」
「ちょっと口調が違うけれど」
「ええ喋り方やろ」
「そうね、面白い喋り方ね」
「これは日本語の方言でな」
大阪出身の飛行士はさらに話した。
「関西弁っていうねん」
「関西弁やねんな」
「あんたが今喋った言葉もや」
「そうか、ほなうちこれからもな」
「関西弁使ってくか?」
「面白い言葉やし」
それでとだ、苺々は早速関西弁で喋りだしていた。
「これからあの男の人にもこれで喋っていくわ」
「関西弁でやな」
「そうしていくわ」
「そうか、やってみるんや」
「それやったらな」
二人で話してだ、そしてだった。
苺々は実際にその飛行士に関西弁で喋ってみた、するとその飛行士はすぐに察してこう言った。
「彼女に教えてもらったんだね」
「わかるんやな」
「わかるよ、上手だけれど」
それでもと言うのだった。
「変なこと教えたね」
「ええことやないん」
「関西弁なんだ、それだったら僕も教えるよ」
「どんな言葉やねん」
「生まれ名古屋だから名古屋弁になるけれど」
「名古屋弁ってどんなのやねん」
「それはね」
彼は彼で苺々に名古屋弁を教えた、そうしてだった。
何時しか苺々は名古屋弁まで喋られる様になりそちらも使う様になった、首相は飛行士達からその話を聞いてこう言った。
「宇宙生物も人間と変わらないところもあるね」
「むしろ彼女は極めて人間的です」
「面白いですよ」
「そうだね、じゃあこれからも彼女ともね」
「交流を続けて」
「宇宙開発も続けていくことですね」
「そうしよう、宇宙に出ても色々な生命体と衝突するより仲良くする方がいいからね」
その方が人道的にも政治的にも楽だからだ、衝突すればその分強い力を使うことになるからである。
「このままね」
「いきますね」
「彼女とは」
「そうしこう、そして各国にも話して」
そのうえでと言うのだった。
「彼女とはね」
「融和してですね」
「宇宙開発を進めていく様にですね」
「人類全体でやっていこう」
首相は誓いそのうえで各国の首脳達にも実際に話した、そうして人類は苺々と仲良く宇宙開発をしていくのだった。愛すべきこの宇宙生物と共に。
宇宙生物の日本語 完
2018・9・26
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