最終話
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かりして、見るからに落ち込んだ。
『続いて、ガータートスです!』
「がーたーとす?ってなんですか?」
「確か…、未婚の男性にやる、花嫁が左足の太ももに着けている靴下留め、ガーターリングを投げるって奴じゃなかったっけ?」
「男性…。」
シンジは、ハッとした。
周りがシンジに対して行なわれた説明を聞いて色めき立つのを。
「うわぁ…、怖い。」
女性達もすごかったが、男性達の結婚への熱望もすごい。すっかりシンジは、怯えてしまった。
シンジも一応参加するが、巻き込まれないよう隅っこにいた。
どうせ取れないしと、諦めていたが……。
「あれ?」
気が付けば、ガーターリングが手の中にあった。
シンジが混乱していると、宮宇地がおめでとーっと拍手をし、レイが横から飛びつくように抱き付いてきたのでシンジは押し倒された。
「碇君! 私達、結婚できるね!」
「いや、早いって! 僕らまだ14歳ぃぃぃぃぃ!」
純粋に喜ぶレイ。真っ赤っかになって大混乱のシンジ。周りは残念がるより初々しい恋人同士の二人を祝福して拍手した。
シンジは、レイの体を受け止めながら、ふと思い出す。
監獄に送られた父・ゲンドウとの面会の時を。
「………今更何の用だ?」
ガラス越しの第一声がそれだった。
シンジは、レイと共に来ていた。
「父さん。僕…。」
「碇君と付き合っています。」
シンジが言うよりも早く、レイが言った。
それを聞いてゲンドウは、目を見開く。
「レイ、おまえは……。」
「知ってるよ、父さん。綾波が母さんとどういう関係なのか。それでも好きなんだ。」
「……承知の上か。」
「うん。」
「私、人間になりました。もうあなたの人形ではありません。」
レイは、シンジの手を握り強く言った。
「そうか…。」
「それだけ報告しに来たんだ。また来るよ。」
「シンジ。」
「ん?」
「すまなかった……。」
「……もう、いいんだ。」
それが二人の和解であった。
「……。」
「碇君?」
「絶対に幸せにしなきゃ…。」
「碇君?」
「あ、なんでもない…よ。」
無意識に言った言葉に気恥ずかしくなって、シンジは、首を振った。
一方その頃。
「……。」
「参加しないのですか?」
「俺なんかが参加してもねぇ、誰も喜ばないよ。」
ナツエに変わる新しい看護師の女性に、ツムグは答えた。
ツムグは、離れた場所の建物の上から式を見ていた。
初号機の存在を知っていながら放っておいた上に、自分が死ぬために世界を滅ぼす寸前まで追いやった
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