第三十八話 怪獣・補完
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る。
『イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ、死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない。』
怨念のように呟かれ続ける言葉は、生への執着だった。
『死にたくないよォ……、助けて……。』
だが誰も助けてはくれない。助けることはできない。
悲痛な姿に、尾崎はたまらず顔を背けた。
『お兄ちゃあん…ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…。』
ひたすら尾崎に謝り続ける。
『どうして…、こんな……ことに…。』
ギチギチと初号機の顔とデストロイアの顔が合わさり始めた。まるで融合するかのように。
『苦しい、くる、しい…、苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい…!』
初号機は泣き叫ぶ。
『あの子を救う方法は、もう……。』
リリスが悲しげに呟く。
そう、もう死を与えるしか、初号機を救う方法はない。
『ああああああああああああああああああああああああああああああああ! ダレか、ダレかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! ボクを………、コロ……し、て!』
デストロイアと完全に一体化した初号機が、翼を広げ、両手を振り上げ天に向かって懇願した。
初号機・デストロイアの体にエネルギーが集まりだした。
初号機・デストロイアの体が膨張し始める。
「自爆する気か!」
もし爆発したら恐らく地球がもたないであろう。それだけのエネルギーだ。
ゴジラが、背びれをひと際輝かせ始めた。とどめを刺す気だろう。
『尾崎さん。お願いがあります。』
「えっ?」
『僕からもお願いするよ。』
「カヲル君……。分かった。」
尾崎は、リリスとアダムの願いを察し、左右にある兵器操縦桿を握った。
「尾崎、何をする気だ!?」
「すみません…。」
尾崎は困惑する副艦長達に向けて謝罪しながら苦笑した。
「やれ、尾崎。」
ゴードンは、静かにそう言った。
「はい!」
尾崎は目をつむり、橙色のエネルギーを纏った。
意識を集中すると、尾崎のエネルギーは、轟天号に行き渡る。
すると船の両側から回転する小型機械が発射され、轟天号の周りを回転しだした。
ドリルの先端に凄まじいエネルギーが集まりだし、尾崎が目を開け、兵器操縦桿のスイッチを押した。
発射されるG粒子メーサー砲。
尾崎が持つエネルギーそのものであるそれが発射された。
それと同時に、ゴジラが熱線を、初号機・デストロイアに発射した。
二つのエネルギーが命中したのはほぼ同時だった。
膨れ上がる光が天へ伸び、そこに使徒と思しき半透明な
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