第三十七話 デストロイア
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機からツムグの声がした。
「……あなた、状況を…。」
『うん。こんなことになったの、俺がやったから。』
ツムグは、すぐに白状した。
「この責任は…。」
『俺はただ死にたいだけ。でも波川ちゃん達を殺したいわけじゃない。』
ツムグは、一人語る。
『全部、俺が何とかするから。俺がやったことは自分で責任はとなるから。だから…。』
安心して。と言って、ツムグは通信を切った。
「波川司令、信用していいのですか!?」
「…ええ。」
「この事態を作った張本人なんですよ!?」
「ですが、それ以外に方法があるのですか?」
「っ…。」
騒然となる司令部が鎮まった。鎮まらざる終えなかった。
こちらに手はない。
「波川司令! ディメンション・タイドの使用の許可を!」
だが猛者はいた。
ディメンション・タイドによる、初号機・デストロイアの消滅を提唱したのだ。
それにはすぐに周りから賛成の声が上がった。
波川も、すべての手を尽くすべきだと考え、使用の許可を出した。
***
「波川司令から、衛星からのディメンション・タイドの使用の許可が下りたと…。」
「そうか…。」
「今すぐこの場を離れなければ! 巻き込まれますよ!」
「……総員、この場から退却だ!」
宇宙からのディメンション・タイドから逃れるために、轟天号は初号機・デストロイアから離れた。
ところで初号機・デストロイアは、先ほど咆哮を上げてから動く気配がなかった。とにかくデカいのでそこにいるだけで圧倒的だ。
やがてディメンション・タイド衛星が、照準を初号機・デストロイアに合わせた。
それとほぼ同時に、初号機・デストロイアの顔が空に向けられた。
そして衛星から発射されたブラックホールが大気圏を越え、初号機・デストロイアに向かってきた。
すると初号機・デストロイアが口を開け、強大な光線を吐きだした。
光線はブラックホールと衝突し、上空で光が爆発し、光線はブラックホールを超えて宇宙空間にある衛星に着弾して衛星を消滅させた。
光の爆風に離れていた轟天号も煽られる。
初号機・デストロイアが再び大きく咆哮した。
長く太い尾が地面にめり込み地割れを作り、振り下ろされた頭部の角が山を抉って破壊した。
再び口から放たれた光線が地平線の彼方に炸裂し、核爆発を超えそうな爆発が起こった。
強大な力による破壊は、地震となり、大気をも揺るがし世界中の人間に危機を知らしめる。
もはや己を止める者はいないのだと言わんばかりの、そしてすべての命に対して絶対的な絶望を与えるような咆哮を上げる。現に状況を見ている基地の司令部や、轟天号内に絶望が広
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