第三十七話 デストロイア
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そう言って掴んでいるロンギヌスの槍を、へし折った。ポッキリと。
『……。』
機龍フィアの中で、ツムグは静観していた。
だがやがて口元をニッと歪めた。
『もうこれで手はないね! 僕の勝ちだ! アハ、ハ、ハハハハハハハハハハ! …ハハ………、あっ?』
その時、初号機の腕がボゴリッと歪に膨れ上がった。
初号機は、それを見て放心していると、同様に他の部位がボコボコと膨れた。
『え、え、えっえっえっえっえっ!? な、なにこれ、ナニコレナニコレナニコレナニコレナニコレ!?』
メキメキと初号機の顔を押しのけるように新しい頭部が発生した。
『うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!? イタイイタイイタイイタイ! ナニコレ!? タスケテ!』
初号機の悲痛な叫び声が木霊する。
背中の十数枚の翼が変形し、コウモリの翼のようになる、尻尾が生え、腹部に口のようなものができ、爪が伸び、角が生える。
その姿は……、まるで。
「デストロイア…!?」
かつてゴジラに倒された怪獣、デストロイアによく似ていた。
「G細胞の副作用か!」
初号機はゴジラの飲み込んでいる。
それによりゴジラの細胞を吸収してしまい、今になって副作用が出たのだとしたら…。
「破壊神の…呪いか?」
愕然とした副艦長がそう呟いた。
神ですらもゴジラの持つ呪いにも等しい力に耐え切れなかったのだ。
初号機・デストロイアが咆哮した。
その顔の横にある初号機の顔は、イタイイタイと泣き叫んでいる。
他の使徒の形はもう初号機・デストロイアに溶けて消えていた。
『待ってた。これを待ってたんだ。』
ツムグだけが、この状況の中、笑っていた。
***
「初号機が、怪獣デストロイアに変化したぞ!」
基地でも、初号機の変化は観測していた。
「色は白いが、間違いなくデストロイアですな、アレは!」
「なぜデストロイアに!?」
「ゴジラを喰ったからか!?」
かつてゴジラと戦ったデストロイアとは、比較にならない巨大さを持つ初号機・デストロイア。
フォースインパクトは、止まったが、新たな脅威に、司令部に絶望が広がりつつあった。
「波川司令…。」
「ロンギヌスの槍も失われた…。ゴジラも今だ敵の腹の中…。」
波川はブツブツと状況をまとめようと呟いていた。
「ツムグとは通信は繋がりますか?」
「いいえ、回線が…。」
『なに? 波川ちゃん。』
回線が切れていると言いかけたオペレータを遮って、通信
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