第三十七話 デストロイア
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ものである。
『で、でも、いつまでも続くわけないでしょ! そのうち力尽きるもん!』
『おおーっと、痛いところ突かれたね。』
そういつまでも躱してはいられない。こちとら機械。相手は神(?)。限界点が違いすぎる。
『だったら…、大丈夫だもんね! 疲れるまで攻撃するもん!』
『でも学習はしようよ。』
変わらず当たらない。
初号機が機龍フィアに完全に気を取られている隙に、轟天号がゆっくりと、初号機の下の方にあるロンギヌスの槍の方に接近していた。
『って……、バレバレだよ?』
サキエルの腕が轟天号に向かって振り下ろされようとした。
『やらせないよ。』
その時、強力なサイキックバリアが轟天号を覆い、サキエルの腕を防いだ。やったのはツムグだ。
『邪魔するなよぉぉぉぉぉぉ!!』
怒った初号機は、ラミエルの角から荷電粒子砲を機龍フィアに向かって放った。だがそれを機龍フィアは、軽々と躱した。
『だから当たらないって。』
『当たれよぉぉぉぉぉぉぉ!!』
『当たってたまるか。』
『もぉぉぉぉぉぉ!!』
『牛か。』
『違うよぉぉぉぉぉ!!』
初号機の苛立ちは頂点に達したらしく、轟天号を無視して機龍フィアの攻撃に集中しだした。
神に等しき力を手にしたとはいえ、精神面は所詮は子供。力に意思力が追いついていない。
「今だ尾崎!」
「はい!」
その隙に、尾崎が轟天号から飛び出し、ロンギヌスの槍へ向かった。
ロンギヌスの槍は、尾崎が触れると収縮し、尾崎の手で持ち上げられるほどの大きさになった。
尾崎は、轟天号に飛び乗り、ロンギヌスの先端を初号機に向けた。
『お兄ちゃん…? それでどうする気?』
「……おまえを倒す。」
『なんで? どうして? ただ僕は…。』
「おまえは、この世にいちゃいけない。」
尾崎は心を鬼にしてそうはっきりと言った。
「例え苦しくても、哀しくても…、俺達はこの世界で生きているんだ。生きていくんだ。心は強さだ。それを無くした世界なんて望まない!」
『………だったら…。』
初号機が片手を尾崎の方にかざした。
『お兄ちゃんが消えちゃえばいい!!』
放たれた白い光。
だがしかし、その光は、ロンギヌスの槍の先端に触れた途端拡散する。
ロンギヌスの槍が、尾崎の意思力を力としているのだ。
「くっ…!」
だが初号機の力は圧倒的で、尾崎が押され始めた。
「ま、負けられない! 俺は、俺達は負けるわけにはいかない!」
尾崎は気力を振り絞る。
「こんな、ところで…!」
『そう。君達は負けてはいけない。』
「えっ?」
聞き覚えのある声が響いた。
その声は…。
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