第三十六話 サードインパクト
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全部全部全部全部全部! 消してあげる!』
初号機の翼が発光しだした。
「やめろ!」
尾崎が叫ぶ。
「尾崎、撃て!」
ゴードンが命令した。
それと同時に尾崎はメーサー砲の発射スイッチを押した。
轟天号のドリルの先端から放たれたメーサー砲は、真っ直ぐに初号機に向かった。
だが眼前でATフィールドに阻まれ、防がれてしまった。
初号機の羽だけじゃなく、全身が白い光を纏った。
その光が膨れ上がり、第三新東京を包むように広がり始めた。
一方、第三新東京の上に取り残されていたリツコ達が、半透明な光に包まれその場から消え去った。
ツムグの超能力の力だった。
リツコ達は、第三新東京から地球防衛軍基地の近くに転移させられた。
ついでに、弐号機も基地の近くに転移させられていた。
「椎堂ツムグ…、本当に一体何を考えているの?」
リツコは、ツムグの考えが読めず、ただそう呟くしかなかった。
初号機を中心とした光は、第三新東京の特殊装甲板を消し去り、ネルフ本部を丸見えした。
先に下に落ちていたゴジラからの熱線が再び飛んできた。
前よりも強力な出力で放たれた熱線は、初号機が纏う光を拡散させた。
光が消え丸見えになった初号機は、更に巨大化しており、ネルフ本部を踏み潰すように着地した。
初号機はゴジラを見下ろす。
『邪魔するなって言っただろぉ!』
巨大化したイスラフェルの両腕がゴジラに振り下ろされた。ゴジラは、それを後ろに飛ぶことで避けたが、横からゼルエルの腕が鞭のように振られて横に弾き飛ばされた。
ゴジラの倍以上に巨大化した初号機の前に、ゴジラは翻弄されていた。
目を血走らせ、怒りに震えるゴジラの背びれが赤く光る。
『ム・ダだよ。』
初号機が笑う。
ネルフの下。そこから黒い巨大な球体が浮上した。
それは黒い月と呼ばれる、かつてリリスが乗ってきたものだった。
それを受け止めた初号機の下半身が黒い月と同化を始める。
黒い月をも取り込み肥大化した初号機下半身が、ばっくりと横に口を開けた。
そこへゴジラが赤い熱線を放つが、吸い込まれていくだけで無駄に終わった。
熱線を吐き続けるゴジラに初号機の下半身の口が迫った。
『ゴジラもおいでよ、一緒に新しい世界に連れてってあげる!』
第三新東京を飲む込むほど巨大化した初号機の口に、ゴジラが飲み込まれた。
大穴から上半身を出し、黒い月と一体化した下半身をごと浮遊させた初号機は、大きく口を開けて笑った。
初号機の翼から放たれた光が空へ吸い込まれ、粒子となって世界中に降り注ぐ。
粒子に触れた者達は、まるで魂がなくなったかのように倒れ伏したり力なくへた
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