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ゴジラ対エヴァンゲリオン(仮)
第三十六話  サードインパクト
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 放たれた熱線によって初号機の周りで爆発が起こるが、爆風が晴れると、そこには…。
 一回り大きくなった初号機がいた。
『アハ、すっごいなぁ。コレ。美味しかったよ。』
 初号機は漲る力に歓喜したようだ。
 リリスを取り込んだことによる新たな力なのだろうか、ゴジラの放射熱線を吸収したようだ。
 大きくなった初号機を見てゴジラは不愉快そうに顔を歪めた。
『でも、邪魔しないでよぉ…。お兄ちゃんの所に行けないじゃないの。』
 初号機が初めて振り向く、それと同時にゼルエルの顔が生え、目からビームが放たれた。
 サキエルのビームと比べ物にならない破壊力は、第三新東京に大穴を開け、ゴジラは蟻地獄のように空いていく穴に足を取られ穴の中に吸い込まれていった。恐らくはネルフ本部の方に落ちたのだろう。
 ゴジラの姿がなくなった後、初号機の背中に複数のミサイルが着弾した。
 轟天号からの攻撃だった。
『お兄ちゃん、来てくれたんだね?』
 初号機は、上空にある轟天号を仰ぎ見た。


「初号機…。」
 轟天号の前の席で尾崎は汗をかいた。
 嫌な予感は的中してしまった。
 初号機は、人間の祖先である神を喰らい、神と同等の力を手に入れてしまった。
 相性が悪いはずのゴジラの熱線を吸収したのがいい例だ。
 他の使徒の力を手にした理由は不明だが、その力を自在に使えるというのは最悪だ。
『お兄ちゃん、見てよ、見て。僕は神になったんだ。これで世界は自由だよ。自由に変えられるんだよ。お兄ちゃんを一人ぼっちじゃなくしてあげられるよ? ぜーんぶ、変えてあげる。だから僕と…。』
「俺はそんなこと、望んでない。」
 轟天号の中で尾崎は初号機の言葉に返答をした。
『なんで! どうして!? お兄ちゃん一人ぼっちなんだよ? 世界で一人しかいないんだよ? だから僕がなんとかしてあげようと思って…、頑張ったのに…。』
「俺はそんなこと頼んでない。」
『なんで? なんで? なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで?』
 初号機はひとしきり呟いた後、シュンッと項垂れ。
 やがて、震えながらクスクスと笑い出し。
『…変えちゃえばいいんだ。』
 何か一人で納得し、一人で答えを出した。
『全部、ぜんーぶ、変えちゃえばいいんだ。みんなが苦しむのは、心があるから、変えちゃえばいいんだ。お兄ちゃんが一人ぼっちなのはみんなが違うからだ。お兄ちゃんが僕と来てくれないのも。全部全部変えて、消えちゃえばいいんだ!』
 それは最悪の答え。
 初号機の背中から十数枚の光る羽のような物が発生した。
『楽しいことも、哀しいことも、辛いことも、嬉しいことも、痛いことも、苦しいことも、全部全部
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