第三十五話 量産機
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ンゲリオン量産機の手を軽々と避け、その手も切り落とし、すぐに再生するがすぐに切るというのを繰り返した。
ゴードンがエヴァンゲリオン量産機の相手をしている間に、尾崎は念じていた。
来い、と。
月にあるロンギヌスの槍に向けて。
月の地表に突き刺さっているロンギヌスの槍がギチギチと震えながら徐々に抜けていく光景が脳裏に浮かんでいる。
もうすぐ、もうすぐ…、来い!っと、尾崎は一層強く念じた。
そしてついにロンギヌスの槍が月から離れ、地球へと向かった。
空を見上げた尾崎は、両手を空へとかざした。
そして、キッとエヴァンゲリオン量産機を見た。
「いけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
両手を振り下ろすと同時に、空から飛来したロンギヌスの槍がエヴァンゲリオン量産機の体を貫いて地面に縫止めた。
エヴァンゲリオン量産機が大きな断末魔の悲鳴を上げた。
『ギャアアアアアアアアアアアアアア、コ、コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロ……ス……。ナゼだ…。ナゼ…、ジャマを…。』
「人類の未来は一つじゃない。」
『ジンルイホカンは……、ワタシのイノチが…、アアアアアア……。』
「…次に生まれ変わる時は、まともな人生を送れるといいな。」
やがてエヴァンゲリオン量産機は、沈黙した。
ヲルカの思念が消えたのを感じながら、尾崎は疲れた様子で両膝を突いた。
「終わった…。」
「お疲れ。」
エヴァンゲリオン量産機の返り血を浴びた血塗れのゴードンが歩いてきた。
「まさかロンギヌスの槍をまた地球に戻すことになるとはな。」
「分かってます…。本当は月にそのままにしておけばよかったんですけど。」
「あとでまた月に投げとけ。」
「はい。……!?」
「なに!?」
その時、沈黙していたエヴァンゲリオン量産機が動き出した。
すでにヲルカの思念は宿っていない。だが動いている。
再起動したエヴァンゲリオン量産機は、体に突き刺さっているロンギヌスの槍に手をかけ、引き抜こうとし始めた。
「ハっ! ダミープラグ!」
エヴァンゲリオン量産機に積まれている自動操縦のためのプログラム、すなわちダミープラグがヲルカから解放されたことで独自に動き出したのだ。
エヴァンゲリオン量産機は、ズルズルと自分の体からロンギヌスの槍を抜くと、ロンギヌスの槍を手にしたまま翼を展開した。
そして飛び立った。
「ロンギヌスの槍が!」
「チっ! 敵の狙いはこれだったか! 尾崎、槍を呼べないのか!?」
「え、…えっと…。」
「無理か…。」
その時、ゴードンの通信機が鳴った。
「あ? ああ…、そうか。行くぞ。」
「どこへ?」
「奴(エヴァン
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