第三十五話 量産機
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を取った。その様はバルディエルの動きに似ていた。
「甘いね。機龍フィアの装甲は、軟じゃないんだよ。」
ツムグは、チッチッと人差し指を振った。
「しかも“コピー”じゃねぇ…。」
ツムグは、エヴァンゲリオン量産機達が手にしている大ぶりの刃の正体を見破っていた。
「ま、いいや。遊んであげるよ。…時間稼ぎぐらいはしてあげるから。っお。」
ツムグは意味深に笑う。だが次の瞬間に強い衝撃があった。
横からエヴァンゲリオン量産機の一体からのドロップキックが頭に決まったのである。
隙を突かれて機龍フィアが横に倒れる。
そこへ畳みかけるように大ぶりの刃が振り下ろされるが、機龍フィアの口で刃の先端を受け止め防いだ。
「さっきのは効いた。中々やるね。」
『…ろす…。』
「うん?」
遠くの基地から伝わってくる強烈な思念を感じ取った。
『コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス! ジンルイホカンのジャマをスルモノはコロス!』
「…もしかしてヲルカ?」
ツムグは、基地を襲撃した一体のエヴァンゲリオン量産機のダミープラグの人格が何者なのか見破った。
無人のエヴァンゲリオン量産機を動かすダミープラグの素材自体はアダムからサルベージされたカヲルとヲルカと同じものが使用されているに違いない。そこに死んだヲルカが宿ってしまったのだろう。
「可哀想に…。」
死んでなお人類補完計画に執着するヲルカの様に憐れみを感じた。
「尾崎ちゃんならヲルカのことに気付くよね。でも手加減したらダメだ。それじゃあ救われない。」
機龍フィアを操作し、倒れている機龍フィアに跨っているエヴァンゲリオン量産機の首を掴んで放り投げた。
機龍フィアの強力な握力で首を掴まれたためその量産機は首が曲がっちゃいけない方向にグニャッとなって地面に転がった。
「手加減しちゃダメなんだ。尾崎ちゃん。分かるよね?」
機龍フィアを立たせながら、ツムグは、基地で量産機の一体と戦っているであろう尾崎に向けて言った。
***
尾崎は眼前で暴れるエヴァンゲリオン量産機を見て、目を見開いていた。
「………ヲルカ…?」
カヲルによって死を与えられたカヲルと同じ存在(※魂は別)の魂が目の前の異形の巨人に宿っていることに気付いた。
伝わってくる思念は、ただひたすら人類補完計画を邪魔する者達への敵意に満ちていた。
折角復興しつつあった基地がまたも破壊されていく光景を背景に、尾崎は戸惑った。
ヲルカの記憶が尾崎の脳に流れ込んでくる。
アダムからサルベージされた存在でありながら欠陥品
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