第三十五話 量産機
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君の傍にいる。」
レイを安心させようとシンジはそう言うと、レイはそう返答した。
「絶対離れない。」
「本当にどうしたの?」
「分からないけど…、碇君と離れ離れになりそうな気がして…。」
「大丈夫だよ。尾崎さん達もいるし…。」
「! 尾崎さん達も危ないかも!」
「えっ? ちょっ、綾波。」
「うぅ…。」
「ほら、無理しちゃダメだよ。」
勢いよく起き上がったはいいが、すぐに力尽きてシンジにもたれかかってしまった。
「尾崎さん達は…無事?」
「それは、見に行かないと分からないけど。尾崎さん達に限ってそんなこと…。というか綾波、本当にどうしたの?」
「……声が…。」
「こえ?」
「“私”だった“わたし”が言うの…。みんな……、消えるって。」
「どういう意味?」
「ごめんなさい…。私ももう分からないの。前の“わたし”なら分かったかもしれないけれど。」
「前のわたし? 使徒が混じってた頃の?」
「私の魂は、人じゃなかった…。それはなんとなく覚えてる。私が人間になって、前の“わたし”はどこかに行っちゃった。前の私が言っている気がするの。ごめんなさい。意味が分からないわよね…。」
「分からないけど、とにかく良くないことが起こるかもしれないってことなんだろ?」
「うん…。」
「僕ら、みんなが消えるかもしれないって。」
「うん…。」
「本当にそんなことが起こるの?」
「…ごめんなさい。」
「なんで謝るのさ。」
「はっきりしなくてごめんなさい。」
「謝らなくていいよ。」
「怖い…。」
「前の綾波が言ってること、音無博士に言おうか?」
「…信じてもらえるかな。」
「きっと信じてくれるよ。」
なにせヘラヘラしてるが的中率ほぼ100パーセントの預言者・椎堂ツムグを抱えた地球防衛軍だ。更にレイは、元々人間じゃなかったのもあり、信憑性はあると判断されるだろう。
「大丈夫かい?」
「あっ、尾崎さん。」
仮設テントの入り口から尾崎が顔を覗かせた。
「美雪から聞いたよ。」
「あの尾崎さん。ちょっと話が…。」
「なんだい?」
シンジは、レイから聞いた話を尾崎に話した。
それを聞いた尾崎は眉を寄せた。
「レイちゃん、本当なのかい?」
「…たぶん。はっきりしなくてごめんなさい。」
「いやいいんだ。俺もなんとなく悪い予感がしていたんだ。」
「尾崎さんも?」
「俺の悪い予感はよく当たるのさ…。」
尾崎は遠い目をして言った。
「美雪に伝えておくよ。」
「お願いします。」
「…お願いします。」
尾崎は去っていった。
「碇君…、やっぱり怖い。」
「不安な気持ちはそう簡単には拭えないよ。僕が
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