第三十五話 量産機
[1/8]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
地球防衛軍の基地の復興は順調だった。
一方で、ネルフ側の職員達の避難と、弐号機の運び出し、リリスの警護。
ネルフ内部に侵入したと思われる初号機を探し出すため、捜索隊がだだ広いネルフ内部を捜索していた。だが一向に見つからない。
なにせ入り組んでいるし、とにかく広い。
迷子になる捜索隊員達もいて、ネルフ内部で遭難するという事件があったりして、捜索は難航した。
運び出された弐号機は、かつての真紅の美しい姿は見る影もなく、薄さびれ、片腕がない有様だった。これをアスカが見たら発狂ものであろう。
ゴジラがエヴァンゲリオンを狙うため、どこに運ぶかということで悩まされたが、機龍フィアが警護に着くことで解決。
五号機の運び出しも決行されたが、保存液(?)から出したら下半身が無くなっていた。どう見ても零号機同様に食われてました状態だった。
地下にあるリリスの運び出しも考えられたが、やはりデカイのと、磔にされているのと、地下深く過ぎるということで運び出し不可能だった。その代わりと言ってはなんだが、リリスのある地下に厳重な警備体制が敷かれた。運が良ければリリスを狙った初号機を見つけることができるかもしれないというのもある。
とにかく初号機を見つけ出すことに躍起になっていため、彼らは気付かなかった。
裏で動くゼーレに。
そしてそれを黙認するツムグに。
***
「綾波、大丈夫?」
「うん…。」
仮設テントの中で、横になっているレイに、シンジが声をかけた。
初めての生理による生理痛が辛くて横になっているのだ。
「まだ薬効かない?」
「うん…。」
痛み止めをもらって飲んだのだが、まだ効果がないらしい。
辛そうなレイに、シンジは心配になった。病気ではないし、むしろ正常な事なのだが辛そうなのを見るのは辛い。
「碇君…。」
「なに?」
「手…、握って。」
「えっ。あ、ああ。分かった。」
レイからのおねだりに一瞬シンジはびっくりしたが、すぐに持ち直し、レイの手を握った。
レイの手はしっとりと汗ばんでいた。
伝わってくる体温は間違いなく人間の物だ。レイが人間じゃなかった頃の冷たさはない。
「……。」
「綾波? どうかした?」
「碇君…。傍にいて。」
「傍にいるじゃないか。」
「違うの…。」
「なにが?」
レイは、両手でシンジの手を握った。
それはまるでこれから起こるかもしれない何かに怯えているかのように。
「怖い…。」
「何が怖いの?」
「分からない…。でも、怖い。」
レイは、得体のしれない不安に怯えていた。
「大丈夫。僕は綾波の傍にいるよ。」
「私も、碇
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ